2025年2月25日 朝日新聞
重りを載せたそりを引きながら馬が競走する、岩手県遠野市の「東北馬力大会馬の里遠野大会」の大会実行委員会は、6月に予定していた今年の大会開催の中止を決めた。
【表】地域の伝統行事で、参加者が動物愛護法違反容疑で書類送検された主な事例
大会中、馬にむちを打つなどの行為が「虐待」にあたるとして、動物愛護団体からの告発が相次いだためで、町などによる実行委は「今後の大会の方向性を決めるため、しっかり検討する時間を設ける」としている。決定は14日付。
過去に開催された「東北馬力大会馬の里遠野大会」の様子=2015年、岩手県遠野市(朝日新聞)
大会では、2019年の競技中に金属が付いた手綱で馬の顔などをたたいたとして、22年に出場者が動物愛護法違反容疑で盛岡地検に書類送検された=不起訴処分。動物愛護団体から岩手県警への告発を受けたものだった。
このため、大会の実行委は、23年から大会要項に手足の殴打などを確認した場合は失格にするなど、ルールを改定していた。
だが、23年の大会についても同様の刑事告発があり、複数の参加者が書類送検された=いずれも不起訴=ことから、47回目にあたる今年の大会については開催を見送ることにしたという。
(福留庸友、阿部育子)