高校で保護犬・保護猫の譲渡会 物価高騰でボランティアも苦境 つなぐ動物の「命のバトン」 広島 | トピックス

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2025年2月24日 テレビ新広島

 

 

進徳女子高校の高校生が譲渡会を企画

 

23日、広島市内で開かれた保護動物の譲渡会。
気候の変化や長引く物価高騰の中で、命を繋ぐ取り組みが続いています。

 

広島市南区にある進徳女子高校で23日に開かれた保護犬と保護猫の譲渡会。

 

(譲渡会に来た人)
「はち割れのこの子がが目が真ん丸ですごく好きです。この子がかわいい」

 

この保護動物の譲渡会は、進徳女子高校の動物愛護サークルの高校生たちが企画しました。
この取り組みは、10年以上前から始まりました。

 

念願だった「学校での譲渡会」。
初めて開催したのは、3年前でした。
学校で開催する譲渡会は、県内ではほとんど例がなく、多くの人が来場しました。

 

【進徳高校WDP部員(当時)】
「ずっと願ってやっていて、今回やっと外部の人を呼んでできるなって」
「これだけ人が来てくれたら、やった甲斐があった」

 

学校で譲渡会はありがたい

 

その後、後輩たちに引き継がれた譲渡会は、今回で4回目になります。
犬や猫を連れてくるのは、広島市の動物愛護センターや動物保護ボランティアです。

 

【動物保護ボランティア】
Q:きょうは何匹連れてきた
「きょうは9匹参加しています」

 

かつて、広島県は、犬、猫の殺処分数が国内最多で、2011年度には犬だけで2342匹が殺処分されました。
2016年、殺処分ゼロを目指した県と動物愛護ボランティアの取り組みによって、現在、動物の殺処分は、大幅に減少しました。

 

一方で、センターに収容しきれない保護された動物をボランティアやNPO団体が引き受け、飼い主が見つかるまで飼育している現状があります。

 

【動物保護ボランティア】
「保護猫は40匹います。ほぼ1日猫の世話という形になっている」

 

ボランティアが飼育できる数には限界があります。
里親を見つける譲渡会を開催する活動は、ボランティアにとって有難い事です。

 

【動物保護ボランティア】
「場所が冷暖房が効いていたり駐車場があったりという環境を確保することが大変なので、こういう学校でしてもらえることはありがたい」

 

【動物保護ボランティア】
「進徳女子高校では定期的に開催してくれているので、しかもたくさん支援物資を募ってくれているので、どこも(ボランティアは)みんな助かっています」

 

物価高の中で…

 

会場に集められた様々な物資。

保護ボランティアに寄付するために集められた支援物資です。
高校生たちが呼びかけて譲渡会に合わせて、集めました。
タオルや毛布、ドッグフードやキャットフードなど様々なものがあります。

 

【進徳女子高校・生徒】
「けっこう集まっています」
Q:みんなが持ってきてくれる?
「すごくいっぱい持ってきてくれる人もいます。秒保護猫や保護犬の活動をしていてお金をもらえるということはないので、こういうものがあると助かると思います」

 

保護動物を飼育するボランティアには、資金の援助はありません。
ボランティアが負担しているのが現状です。
長引く物価高騰の中で、動物たちを飼育することは、大変なことです。

 

【動物保護ボランティア】
「フードだったりおしっこのシートなど毎日消費するものはいくらあっても助かる」

 

【動物保護ボランティア】
Q:物価が上がっている中では厳しい?
「1.5倍から2倍くらいフードも猫砂も上がっているので、とてもひっ迫はしています」

 

譲渡会が終了しました。

3年生は、来月卒業します。
この日が、彼女たちにとって最後の譲渡会です。

 

【高校生】
「3年間部員みんなと走り抜けることが3年生はできました。それはみなさん保護主さんのおかげだと思っていますし、先生方の協力もあってだと思うので本当に3年間ありがとうございました」

 

高校生やボランティアなど多くの人たちが協力して、動物たちの命のバトンが繋がれています。
動物の殺処分ゼロを目指す取り組みは、まもなく10年を迎えようとしています。

 

保護された犬や猫が安心して暮らせるために

 

保護された犬や猫が安心して生活できる環境を維持し続けるということは容易ではないんですね。

 

【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】

「殺処分が減ったというのは分かっていたのですが、その裏でボランティアやNPO団体の努力があったのは、あまり知らなかった。その中で学生たちが譲渡会を企画しているのは非常に素晴らしい。命を大切にするということは素晴らしいですし、支援物資の協力をしてくれる方がいるという、(高校生は)人の優しさも感じているのではないか」

 

動物たちも幸せに暮らせる、優しい社会になるといいなと思います。