2024年10月31日 NHK 愛媛 NEWS WEB
猫の足を折り曲げるなどして傷つけ路上に遺棄したとして、警察は松山市の大学生を動物愛護法違反の疑いで逮捕しました。警察は大学生の自宅から虐待に使ったとみられる道具が見つかったことなどから、ことし8月以降、市内で虐待されて死亡したとみられる猫が相次いで見つかったことにも関わっているとみています。
逮捕されたのは松山市西長戸町の大学生、佐藤彰真容疑者(23)です。
警察によりますと、佐藤容疑者は今月25日の夕方、自宅で、猫1匹を傷つけたうえで、路上に遺棄したなどとして動物愛護法違反の疑いがもたれています。
警察では、大学生が猫の両後ろ足の根元付近を折り曲げるなどしたあと、自転車で自宅から2キロほど離れた路地に運び遺棄したと見ています。
また、警察によりますと、松山市内ではことし8月以降、虐待で死んだとみられる猫が少なくとも5匹見つかっていたことから捜査を進めていて、付近をパトロールしていた警察官が新たに路上で死んでいる猫を見つけ、発覚したということです。
警察の調べに対し、大学生は「猫を痛めつけて捨てたことに間違いありません」などと話し容疑を認めているということです。
大学生の自宅からは猫の虐待に使われたとみられる道具が見つかっていることなどから、警察は、この大学生が一連の猫の虐待死に関わっているとみて捜査しています。
【虐待された猫相次いで見つかった現場では】
今回、猫が見つかった現場に近い松山市の松山総合公園では、虐待されたとみられる猫が相次いで報告され、住民などの間に不安が広がっていました。
ことし8月には虐待が疑われる猫が死んだ状態で相次いで見つかったほか、ひもで首を絞められてけがをした猫も発見されていました。
また、9月には公園の別の場所ですべての足がない猫1匹が死んだ状態で発見され、虐待によるものとみられています。
近くに住む80代の男性は猫が死んで見つかっていたことについて「よくそんなことができるなと思います。心理がわからない」と話していました。
また、公園を訪れていた70代の女性は「容疑者は逮捕されたが、公園での事件と関係しているかわからないので、もしほかに犯人がいるとしたら逮捕を受けて虐待をやめてほしい」と話していました。
一方、ことし9月に虐待された猫を発見した1人で猫の保護活動に取り組んでいるNPOの山本博子代表は、猫の不審な死が相次いだあと、保護活動に取り組むほかのグループとも連携し、公園の猫を20匹ほど保護したということです。
山本代表は「子どもが多い地域なので心配で公園に行けなくなっているという声も聞いている。行方が分からない猫もまだいっぱいいるので警察には徹底的に調べてもらいたい」と話していました。