2024年3月13日 朝日新聞デジタル
ミニ門松の販売収益を県に寄付した中央農業高の高橋和輝さん(右)。目録を横田美香副知事に手渡した=2024年3月12日、富山市新総曲輪、法野朱美撮影© 朝日新聞社
富山県立中央農業高校の生徒らがつくる模擬株式会社「中農緑化苑(ちゅうのうりょくかえん)」の2年生ら4人が12日、富山県庁を訪れ、里山の再生整備に役立ててもらおうと、ミニ門松の販売収益を県に寄付した。能登半島地震の被災地支援の活動なども報告した。
横田美香副知事に活動報告をする中央農業高の高橋和輝さん(左)=2024年3月12日、富山市新総曲輪、法野朱美撮影
近年、同校周辺や里山にクマの出没が増えて問題になっている。防ぐには里山の整備が必要だと学んだ生徒らが2022年に会社を設立した。学校で育まれた造園技術を生かして野生動物との共存を目指すと掲げている。
富山市内の竹林から孟宗竹(もうそうちく)を伐採し、昨年12月に学校の敷地内にある松や梅、生徒らが育てた稲穂をあしらったミニ門松200個を2、3年生の9人で制作・販売した。収益の3万6054円を里山整備にあててほしいと寄付。目録を横田美香副知事に手渡した。
また2月には、伐採した竹を鉢に利用して「のとキリシマツツジ」の鉢花100個を作り販売。売り上げと募金の約16万円は能登半島地震で被害を受けた能登高校や能登町、「NPOのとキリシマツツジの郷」へ義援金として送ったことも報告した。
「『門松を楽しみにして今年も買いに来たよ』というお客さんの声がはげみになった」。模擬株式会社の社長・高橋和輝(ともき)さん(2年)は笑顔を見せた。「竹の伐採は大変だったが、野生動物との緩衝地帯を作ることが共生に大切なこと。今後も続けていければ」(法野朱美)