2024年1月23日 時事ドットコムニュース
【メキシコ市AFP=時事】メキシコで過酷な環境で飼育されていた「孤独な」キリンが21日、サファリパークで新たな生活を送るため、米国の国境近くから中部プエブラ州まで約2000キロの「旅」に出た。(写真は、メキシコ・チワワ州シウダフアレスからコンテナで移送されるキリンの「ベニート」)
ベニートと名付けられた雄のキリンがいた北部チワワ州シウダフアレスは年間の寒暖差が激しく、キリンの住環境としては不適切だとして、動物愛護団体は「ベニートを救おう」と銘打った運動を立ち上げていた。
動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会」も、この運動を支持。ベニートは「草や木陰、日差しや風雨を避ける適切な場所もなく、ごみだらけの囲いの中で」孤独な生活を送っていたと指摘した。
裁判所は今年中旬、ベニートのプエブラへの移送を命じた。
同州にあるアフリカム・サファリのフランク・カマチョ代表はベニートについて、「温度管理された囲いの中で、必要な餌をすべて与えられる適切な環境で暮らすことが重要」だとし、成体や若いキリンなど、さまざまな個体がいる非常に大きな群れに加える予定だと話した。
嘆願運動を9か月近く続けてきた「ベニートを救おう」のメンバーの一人は、出発に際し、「私たちにとっても、きょうはとても幸せな日だ」と話した。
特別なトレーラーでの移動には専門家チームが同行しており、到着までに約50時間かかる見込み。
【翻訳編集AFPBBNews】