薬不足、周囲の目に気疲れ ペット同伴避難に課題―避難所の「癒やし」にも・能登地震 | トピックス

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2024年1月12日 時事ドットコムニュース

 

最大震度7を観測した能登半島地震やそれに伴う津波で被災した人々の中には、ペットと共に避難を余儀なくされた人も少なくない。ペット用の薬が手に入りにくかったり、周囲の目を気にして飼い主が気疲れしたりするといった課題が指摘され、支援団体は「ペットも被災者。遠慮なく訴えて」とアドバイスする。

 

 震度6強を記録した珠洲市。指定避難所の市立飯田小では出入り口付近にパーティションで区切られたスペースが設けられ、そこに女性2人がそれぞれの愛犬と一緒に身を寄せる。

 

 ラブラドールレトリバーのオス「メイ」と避難した女性(49)は「小型犬専用の部屋があるが、大型だから周りに気を使う」と話す。愛犬は通院しているといい、「かかりつけ病院が閉まって薬が手に入らない。常用薬じゃないと怖くて与えられない」と訴えた。


 

 もう一人の女性(51)は「食欲、元気がなくなってきて、ぐったりしている」と、一緒にいる中型のミックス犬「マル」を心配そうに見つめる。


 今回の地震でペット用の薬やキャリーケースといった関連物資を手配するなどした一般社団法人「Do One Good」(東京)の代表理事、高橋一聡さんは同伴避難について、薬や療養食の不足、自宅の片付けや役所に行くために一時預けをできる人員の不足、周囲の目に気疲れしやすい飼い主のメンタルケアなどが課題と指摘する。「ペットも自分も被災者。遠慮しないで今必要なものを伝えることが大切だ」と話す。

 

 一方で、高橋さんは熊本地震などでの支援経験から「避難が長期化するにつれて、ペットがコミュニティーの中心になる可能性がある」とも語る。


 輪島市の避難所「輪島市ふれあい健康センター」では、ポメラニアンとチワワのミックス犬「ミュウ」が人々を和ませている。夫と避難する飼い主の上巻晴美さんは「『昔飼っていたのよね』なんて言って、ミュウをなでに来る人がいる。被災者の癒やしになっているのかな」と笑顔を見せた。