「ペット助ける=人を助ける」能登地震、受け入れ探る 岐阜市のNPO被災地入り、ニーズ調査や保護へ | トピックス

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2024年1月9日 岐阜新聞

 

 

 東日本大震災の被災地生まれの災害救助犬「じゃがいも」を育成した岐阜市日野南のNPO法人「日本動物介護センター」が9日、能登半島地震の被災者のペットの状況を把握するため被災地入りする。避難所を巡って保護のニーズを聞き取り、要望があれば預かる。捜索要請に備え、じゃがいもも同行する。

 

 「ペットを助けることは、人を助けることになる」と理事長の山口常夫さん(72)。支援に入った2016年の熊本地震では、ペット連れの被災者は避難所の隣でテント生活をしていた。エコノミークラス症候群が懸念される車中泊を選んだり、壊れた自宅に戻る人も多くいた。「ペットと一緒では99%避難所に入れない。苦手な人、アレルギーの人もいるからね」

 

 11年の東日本大震災で48匹、熊本地震で10匹を預かった実績がある。発生間もない能登半島地震でも石川県内から16匹の受け入れを一時打診されるなどニーズはあるとみている。

 

 山口さんら2人による9日の避難所訪問は、救援ルートを妨げないよう石川県南部と富山県にとどめる。餌やケージなどの物資の有無や保護の希望を探り、今後の支援につなげる。金沢市の保護団体との連携も見据えている。

 

 東日本大震災では、福島第1原発事故に伴う避難指示や、避難所から仮設住宅に移る時点で保護のニーズが高まった。山口さんは「ペットの問題はこれから出てくる。今から受け入れを探りたい」と話す。

 

 じゃがいもは東日本大震災直後に福島県飯舘村で生まれた雑種犬で、引き取った後に11回の試験を経て17年、災害救助犬に。今回が初の被災地入りになる。能登半島地震では、山口さんも所属するジャパンケネルクラブ(事務局・東京)の会員の災害救助犬が現地の捜索に参加している。