2024年1月8日 朝日新聞デジタル
能登半島を襲った地震では、半島の中央部にある「のとじま水族館」(石川県七尾市)にも被害が及んだ。水槽の濾過(ろか)設備が止まり、水をきれいにできなくなったため、急きょ飼育動物を他の施設へと「避難」させている。
石川県能美市の「いしかわ動物園」は4日、のとじま水族館の要請を受けてゴマフアザラシとコツメカワウソを受け入れた。ゴマフアザラシは18歳のオスと21歳のメス、コツメカワウソは17歳のオスと14歳のメスだという。
いしかわ動物園に避難したゴマフアザラシ=動物園提供
いしかわ動物園に避難したコツメカワウソ=動物園提供
いしかわ動物園の松島一富園長によると、ゴマフアザラシ2頭は最初、環境に慣れなかったためかエサを食べようとしなかったが、6日からは食べられるようになったという。
松島園長は、かつてのとじま水族館の館長を務めたこともある。「健康第一に、お返しするまで慎重に飼育したい」と話した。
福井県坂井市の「越前松島水族館」では6日、カマイルカ2頭とゴマフアザラシ1頭の計3頭を受け入れた。カマイルカは11歳と13歳のオス、ゴマフアザラシは14歳のオス。3頭とも元気だが、飼育環境に慣れるまでは展示しない方針だという。
松原亮一館長は「のとじま水族館の負担が少しでも軽くなれば。大切にお世話したい」と話した。(小田健司)