2023年11月4日 南日本新聞社
野良猫の殺処分や騒音・ふん尿などのトラブルを減らそうと、鹿児島県霧島市動物愛護推進連絡協議会は、主に市内で捕まえた猫99匹に避妊・去勢手術をした。一代限りの「地域猫」として元の場所に戻される。一斉手術は市内では初めてだという。
【写真】(別カット)避妊・去勢手術を受けて麻酔から覚めるのを待つ野良猫=霧島市国分敷根
野良猫を捕獲し、避妊手術をして、元の場所に帰す「TNR活動(捕獲、不妊・去勢、戻すの英略語)」に全国で取り組むNPO法人「犬猫みなしご救援隊」(広島県)が協力した。交流サイト(SNS)や回覧板などで周知。10月25日、約40人が会場の同市国分の敷根集会所に持ち込んだ。獣医師が麻酔をした猫に手術した後、ワクチン接種とノミダニの駆除。処置をした印として耳先を桜の形に切った。
協議会は同市隼人の真孝自治会の星原敏郎公民館長(67)の呼び掛けで6月に設立。同自治会では、野良猫を巡る住民トラブルが年に3、4件発生。市内の自治会代表者らが集まる会合で、問題提起したことがきっかけとなり、動物愛護に取り組む個人や団体から約30人が集まった。星原さんは「野良猫が一匹もいなくなるように継続的に活動したい」と話した。