2023年10月31日 朝日新聞デジタル
静岡市立日本平動物園と市消防局は30日、森林火災が発生して動物園に近づいているという想定で、初めての大規模な防災訓練に取り組んだ。「水幕ホース」で外からの火を食い止めたり、取り残された来園者を救助したりして、火災への備えを確認した。
訓練は、動物園のすぐ上を走る日本平パークウェイから「ドリフト族」と呼ばれる暴走車両が転落して出火し、森林火災へ広がったと想定した。「オオアリクイ舎付近で火災が発生しました。来園者は指示に従って避難してください」との放送が流れ、駿河消防署の消防隊約20人が消火と救助にあたった。
消火では「水幕ホース」でカーテンのように水を張り巡らせて延焼を防ぎ、さらに消防隊が放水した。訓練後、駿河消防署の佐藤義之署長は「来園者と動物の命を守ることが大切。森林火災だけでなく、地震への備えとしても継続的に取り組みたい」と話した。
日本平パークウェイではドリフト族の暴走が問題になっており、3月と6月には転落事故があった。6月の事故では車両火災が発生したため、動物園に延焼するおそれがあるとして防災訓練をすることになった。(大海英史)