2023年6月17日 読売新聞オンライン
静岡県内各地で、カラスによるフン害やゴミの散乱、農作物被害などが発生し、自治体などが対応に苦慮している。カラスは、夏にかけての繁殖期に大声で鳴いたり、人を襲ったりするなど威嚇行動が目立つようになるといい、関係団体が注意喚起している。(三沢大樹)
静岡市では、市中心部の繁華街に出るゴミへのカラスの群れの飛来が多発している。住宅地でもカラスへの餌付け行為が確認されているという。
同市葵区の中心地に住む男性会社員(30)は、朝晩にカラスの群れに遭遇し、通勤ルートを変更した。路上に散乱したゴミやフン害が目立っていたといい、男性は「気味が悪くて回り道するようになった」と話す。
市は、カラスの被害を減らそうと、住民向けに防鳥用拡声機やゴミ散乱防止ネットなどを配布しているが、効果は限定的だという。
住民の餌付け行為で周辺の生活環境が損なわれていることが確認できた場合、動物愛護法に基づく指導などを検討するという。ただ、現時点では事実の確認段階にとどまっている。
対応に苦慮する市は、対策チームを設置し、不適切な餌やりの調査や指導などを盛り込んだゴミ屋敷条例(通称)の適用などを検討している。藤枝市でも、同様のカラス被害が相次ぎ、条例を改正して対応することなどを検討している。