2022年6月17日 千葉日報
犬18匹を劣悪な環境で飼育し虐待したとして、松戸署が動物愛護法違反(愛護動物の虐待)の疑いで住居不定、食品配達業の男(54)を逮捕した。犬は松戸市内の実家で飼育していたが、容疑者は車上生活をしており実家は住めない状態。松戸保健所が再三、指導などをしたが改善されなかった。
容疑者が犬を飼育していた実家は、玄関前にタイヤ、ペットボトル、段ボールなどが山積しており、近所でも有名な「ごみ屋敷」。さらに、敷地内で放し飼いにされた大型犬がフェンスをくぐって路上に出たり、塀に前脚をのせて通行人にほえたりすることがあり、近隣住民にとって不安の種だった。住民によると、地元町会で警察に相談し、保健所が放し飼いにされている犬を保護したこともあった。
15年ほど前に近所に引っ越してきた40代の女性は「当時からずっと変わらない。犬が外に出ているときは、子どもに遠回りするように言っていた。本当に怖かった」とおびえた表情で話していた。近くに住む60代の自営業男性は「容疑者は少し目が合うとにらみつけてくるような人だった。『怖い』と言って、すぐ近くに住む人が引っ越していった」と話した。
逮捕容疑は4月26日、同市仲井町2の一戸建て住宅で、排せつ物が堆積した不衛生な環境で犬18匹を飼育し、虐待した疑い。住宅内はふんが4~5センチ堆積していた。臭いもひどく、保護された犬は爪が伸び、多くの犬の毛にふんなどが付着。結膜炎を患ったり、皮膚が炎症したりしている犬もいたという。