犬18匹を劣悪環境で飼育 松戸 虐待容疑で54歳男逮捕「不衛生だが、愛情持って接している」 | トピックス

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2022年6月16日 千葉日報社






 犬18匹を劣悪な環境で飼育し虐待したとして、松戸署は15日、動物愛護法違反(愛護動物の虐待)の疑いで住居不定、食品配達業の男(54)を逮捕したと発表した。犬は松戸市内の実家で飼育していたが、容疑者は車上生活をしており実家は住めない状態。松戸保健所が再三、指導などをしたが改善されなかった。「不衛生な環境だったが、全ての犬に愛情を持って接していた」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は4月26日、同市仲井町の一戸建て住宅で、排せつ物が堆積した不衛生な環境で犬18匹を飼育し、虐待した疑い。住宅内はふんが4~5センチ堆積していた。臭いもひどく、保護された犬は爪が伸び、多くの犬の毛にふんなどが付着。結膜炎を患ったり、皮膚が炎症したりしている犬もいたという。


 同署と県衛生指導課によると、18匹は成犬10匹、子犬6匹、生後6カ月以下の幼犬2匹。ペットショップで秋田犬とセントバーナード計3匹を購入した後、去勢などの手術を行わなかったため、増えていったとみられる。予防注射も同3匹に1回行ったきりだった。

 容疑者は「至る所にごみや犬のふんが蓄積し、ハエなどの害虫がわくような不衛生な環境だったが、全ての犬に愛情を持って接しており、虐待をしている認識はない」「毎日餌やりをしている」と供述。同住宅は実家だったが「犬は住めるが、人が住める環境ではない」と車上生活を始めた経緯を説明している。

 同保健所によると、2015年に近隣住民から「犬が脱走している」との苦情があって以降、適正な飼育や予防注射を求めて年間に2、3回指導を実施。20年後半からは排せつ物の堆積が目立ち始めたため、同保健所は立ち入り調査などを行い、不衛生な環境の改善も指導してきた。同署への鳴き声や脱走の苦情も昨年4月~今年3月の間で43件寄せられていた。

 同署は飼育環境が一向に改善されないため、4月26日に家宅捜索を行い、犬を保護。犬は協力団体に預けられている。(本紙・千葉日報オンラインでは実名)