「人間襲う可能性低い」駆除しない方針に 札幌市西区の"クマ" センサーカメラで監視継続 | トピックス

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2022年4月1日 北海道ニュースUHB








 札幌市民の散歩コースとしても親しまれている、北海道札幌市の三角山。


 3月31日、男性2人がクマに襲われたことを受け、札幌市が4月1日緊急調査したところ、巣穴に子グマ2頭が確認されました。


 長岡 伶奈 記者:「午前6時です。市の職員やハンターなど総勢13人が調査のため山の中に入ります」


 札幌市西区にある三角山で31日、市の職員などと共に巣穴を調査していたNPOの男性2人がクマに襲われ、ケガをした事故。


 事故を受けて登山道は立ち入り禁止となりましたが、知らずに登山に来る人も…


 登山客:「普段通りで山に来ました」


 登山客:「びっくりしました。三角山にクマはいないと聞いていたので」


 長岡 伶奈 記者:「登山道から300メートルほど離れたところに来ています。住宅街が広がっていて、車通りも多いです」


 すぐ近くには病院や地下鉄・円山公園駅などがあり、住宅街が広がっています。付近の住民は…


 近くの住民:「こんな近くでクマがいるんだなと思ってびっくりしました」


 Q.(気を付けていることはあるか?)


 近くの住民:「特にはない。まさか出ると思っていないので。けさはやっぱり、バス待ってる間にクマが出てきたらどうしようと」


 事故を受けて札幌市が行った緊急調査では、巣穴に子グマがいるのが確認されました。


 巣穴は奥に長く続いていて、体長30~40センチほどの子グマ2頭が奥の方にいたといいます。


 人間を襲う危険性は低いとして、駆除には至りませんでした。一方、男性2人を襲った親グマは見つかっていません。


 親グマは体長1.5メートルほどのメスとみられています。


 北海道立総合研究機構 釣賀 一二三さん:「結果的には刺激する形になって、母グマに襲われた。。積極的に付きまとう個体ではないので、駆除にはならないという判断になった」


 札幌市は、親グマが巣穴に戻る可能性があるためセンサーカメラを設置し、継続して監視するということです。


 クマの被害が相次ぐ札幌市内。2021年6月には東区でクマが市街地を駆け回り男女4人が襲われる事故がありました。


 クマの生態に詳しい専門家は人間との距離がより近くなっていると危惧します。


 酪農学園大学 佐藤 喜和 教授:「改めてクマが(三角山で発見されて)子グマを(札幌市で)産んで繁殖しているということまでわかってきた。いまこんな所で繁殖しているんだと実感する事例」


 札幌市は当面の間、三角山の登山道を全面閉鎖し、近隣の住民に近づかないよう注意を呼び掛けています。


 今回は巣穴を刺激してしまって、クマが出てきて、襲われてしまった。


 現場の三角山は札幌市中央区と西区にまたがった山。小学生の遠足もあり、札幌市民にとっては馴染みのある山。住宅街や円山地区も近い。


 北海道立総合研究機構の釣賀一二三さんによると、「"クマの巣穴"は雪に埋まっている場合も多く、一般の人には見分けにくい。大事なのは、人間が鈴を持ったり、ホイッスルを鳴らして存在を知らせるなど、クマと出会わない対策をすること。」


 北海道は4月1日、"ヒグマ注意報"を発表し、登山などの際は注意するよう、呼びかけています。