2021年12月16日 神戸新聞NEXT
年賀状印刷の売り上げの一部を動物の殺処分ゼロに向けた活動に充てようと、印刷会社「コラボ」(兵庫県尼崎市武庫豊町3)が新サービス「わんにゃん賀状」を始めた。対象の年賀状を1枚購入すると、売り上げのうち3円が神戸市兵庫区の動物愛護団体に寄付される。(浮田志保)
コラボは、写真入りの年賀状や結婚報告はがきの作製、赤ちゃん用のオリジナルプリントロンパースの通販などを手掛ける。高松靖郁(やすふみ)社長(48)によると、近年、年賀状離れなどで売り上げが落ちていたという。そこに新型コロナウイルス禍が重なった。
緊急事態宣言による自粛要請などの影響で、結婚式の延期や中止が相次ぎ、結婚報告はがきの売り上げを直撃。2006年ごろから続けるサービスだが、12~13年のピーク時に比べると、21年はおよそ1割程度にまで落ち込んだ。
年賀状についても、毎年10月~翌年1月のシーズンで比較すると、20年の売り上げは、19年より13%も減少。高松社長は「コロナ禍のせいで『おめでとう』と言う雰囲気ではなくなり、年賀状を控えることにつながったのでは」と推測する。
しかし、「こんな時こそ、届ける側がポジティブにならないといけない」とスタッフ3人と新たなアイデアを練った。そうした中、インターネット上で、ある自治体のふるさと納税が「動物の殺処分ゼロ」に充てられていることを知った。高松社長は小学生の頃から犬を飼っていたこともあり、自分たちの商売も動物愛護に役立ててもらおうと、「わんにゃん賀状」を企画した。
わんにゃん賀状のデザインは、イヌやネコ、来年の干支(えと)のトラが描かれた60種類。同社のホームページからお気に入りのデザインを選べ、家族やペットの写真も入れられる。印刷方法は「銀塩(ぎんえん)プリント」など3種類。寄付額は同社が受け持つため、客側に新たな負担は生じない。
高松社長は「この取り組みで助かる動物の命があると思う。共感し、協力してもらえるとありがたい」と話している。