愛犬が警察官に誤って射殺され…米ミシガン州の悲劇に賛否両論 | トピックス

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2021年11月20日 日刊ゲンダイDIGITAL








 ケンカを見かけた男性が地元警察に緊急通報。ところが、駆けつけた警察官に男性の愛犬が撃たれて死亡するという悲劇が米国で起きた。



 ミシガン州インクスターに住むブラッド・ブロックさんは、ガソリンスタンドの近くでケンカが起きたのを目撃し、警察に緊急通報した。


 その時、ブラッドさんは4歳になる愛犬、マスティフの「ムース」と一緒だっだ。マスティフは番犬、闘犬などとして飼われている大型犬で、その時、ムースはリードにつながれていなかった。


 警察官が現場に駆けつけた時、人懐こいムースは警察官に向かって大喜びで走って行ったが……警察官は恐怖を感じ、銃を抜いて発砲。4発の銃弾を撃ち込んだ。ブラッドさんはすぐに動物病院にムースを搬送したが、助からなかった……。 


 ブラッドさんにとって、ムースはただの愛犬ではなかった。「最悪な状況で神から与えられた救いだった」という。


 ブラッドさんはオートバイの事故で左足を失った。事故から回復する過程で、心の支えがムースだったのだ。ブラッドさんは米NBC系の地方局WDIVの取材に涙をこぼしながらこう語った。


「私は親友を奪われました。4発も撃たれて。一瞬の出来事でした」

 

「撃たれた後も、あの子はしっぽを振っていました。あんなにかわいい子だったのに。あんなにいい子だったのに。私の腕の中で血を流し尽くして死にました」


「バイク事故の後、私が一歩一歩立ち直る時に一緒にいてくれました。でも、あの子はもういない。警察が奪っていったのです」


 警察官のボディーカメラは当時、故障していたが、偶然近くを飛んでいたドローンが発砲の瞬間を録画していた。その時の映像は11月18日、WDIVのニュースで放送された。


 撃った警察官は「生命の危険を感じた」と主張。映像にはムースが走ってくると、警察官が怯えたように後ずさりし、銃を発砲する瞬間が写っている。


 インクスター警察は、発砲した警察官の名前を公表していない。現在、内部調査を行っているという。


 このニュースを報じたWDIVのコメント欄にはさまざまな意見が寄せられている。


〈警察官は過剰反応だ。もしくは臆病者だよ〉

〈とにかく銃を撃ちたがる警察官が多いよ〉

〈発砲の瞬間にボディーカメラが故障していたなんておかしいぞ〉などと“誤射”を批判する声がある一方で、〈愛犬の安全のためにもリードでつないでおかないとダメだ〉〈警察官は大型犬に襲われると思ったんだ〉などと、ブラッドさんにも悲劇の責任があると指摘する意見もあった。