2021年5月24日 FTV福島テレビ
福島県いわき市のペットショップ『ワン・バディいわき店』
取材したこの日も、その愛くるしさに目を細める人の姿があった。
来店客:「(Q:癒しの存在?)ですね、すごい和みます」
法律の改正によるブリーダーへの規制強化などで、子イヌや子ネコの価格は上昇しているが、ペットに「癒し」を求める人は多く、この店の売り上げは以前より2割ほど増えているという。
株式会社OneDo・大金亜弥子さん:「(コロナ禍で)自宅にいられる方が多いので、お家に癒しを求めて、ワンちゃんとかネコちゃん飼いたいなという方が増えてきてる。気持ちを幸せにしてくれる力が動物にはあると思うので、皆さんにそういうのを知って頂きたい」
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<『癒しの存在』として愛される一方、残念な現実も…>
福島県三春町にある県の動物愛護センター。野良イヌや野良ネコのほか、飼育出来なくなったペットを収容している。
2019年度に福島県内で殺処分された犬と猫は全国の都道府県で3番目に多い2153匹に上った。
(2019年度の犬猫殺処分数:愛媛県 2398匹・大分県 2217匹・福島県 2153匹・長崎県 2092匹・群馬県 1394匹)
福島県動物愛護センター・大越憲幸所長:「福島県の場合、まだまだ捨てネコというのが多い状況でして、本当に動物を捨てるという事は犯罪ですので、絶対に止めて欲しい。動物愛護センターのこのイヌの部屋が、彼らの最後の部屋とは思っていませんので。出来るだけ、いい人達にもらわれていって欲しいなと言うふうに思っています」
センターでは、命を守るため新しい飼い主を探していて、引き取ってもらえるその日に向けてトレーニングも行っている。
福島県動物愛護センター・大越憲幸所長:「新しい家庭に入った時に、極力問題行動を起こさないように最低限の馴致をして、それから譲渡するように努めています」
また、感染症の検査も行い健康にも気を配っている。
2021年6月からは譲渡を受ける人に4000円の手数料を納めてもらうことにしていて、これには検査費用を賄うだけでなく他の狙いもある。
福島県 食品生活衛生課・野口みきさん:「(手数料徴収は)安易な譲り受けを抑止する事も期待しています。動物は、15年、20年は生きるので最期まで責任を持って、他の人に迷惑をかけないで飼えるかっていうのを、よく考えた上で飼って頂きたいなと思います」
「家族の一員」の大切な命を守っていくには、相応の自覚と責任が求められる。
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<動物愛護センターへペットの引き取りを依頼する理由とは>
・野良ネコに「かわいそう」とエサをあげていたら増えてしまった。
・飼い主が高齢になって体が不自由になったり施設に入ったりして面倒を見られなくなった。
・十分な知識が無いまま甘やかして育てたら手に負えなくなった。
福島県動物愛護センターでは2020年6月から引き取り手を対象に講習会を開いていて、ペットとの生活で必要な責任や経済的な負担を伝えている。
15年から20年生活を共にする覚悟を認識して、最期まで飼い続けられるか家族で話し合う必要があるとしている。
保護している犬や猫の譲渡を希望する場合、以前は定期的に譲渡会が開かれていたが、密集や密接を避けるため今は個別に予約を受け付けてセンターに来てもらいマッチングを行っている。
福島県のホームページでも新しい飼い主を待つイヌ・ネコを紹介している。