2021年3月20日 毎日新聞
京都府と京都市が共同で運営し、動物愛護の情報を発信する「京都動物愛護センター」(同市南区)は20日、京都市出身の女優、杉本彩さんを名誉センター長に再任した。任期は4月1日から2年間。杉本さんは同センターが開所した2015年以来、3期6年にわたって名誉センター長を務めており、今回で4期目となる。
杉本さんは「京都の取り組みは、とても進んでいる。どんなことができるのかしっかり考えて、これからも可能な限り発信したい」と意気込んだ。今後も引き続き同センターの周知や、イベントへの参加などに取り組む。
同センターは犬や猫などペットに関する適切な飼い方の紹介や動物の保護・譲与、しつけ方教室のような動物愛護事業などを担う。リードを放して犬と遊ぶことができるドッグランや、犬や猫の毛並みをそろえてきれいにするトリミングルームも備えられている。
市によると、犬の引き取り件数は19年度で69匹、猫は907匹と、いずれも減少傾向にある。うち飼い主からの引き取りが犬が19匹、猫が52匹。19年度中に犬45匹、猫173匹が譲渡された一方、犬15匹、猫599匹が殺処分されるなど、多くの命が失われている。
府と市は共同で、人と動物が共生できる社会の理念を盛り込んだ「京都動物愛護憲章」を14年、自治体として初めて制定している。任命式に出席した門川大作市長は「杉本さんには、さまざまな取り組みをしてもらっている。人と動物が共生する社会にしていくため、引き続きお願いしたい」と期待した。【福富智】