「ボウガンで狙われれば、ひとたまりもない」ようやく法規制に道筋 | トピックス

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2021年2月24日 讀賣新聞







 殺傷能力が高く、凶悪事件への悪用が問題となってきた「ボウガン」。所持を許可制とする銃刀法改正案が24日に閣議決定され、ようやく法規制の道筋がついた。警察庁の調べでは昨年6月までの約10年間にボウガンが使われた事件の死者は6人、重軽傷者も11人に上っており、被害者からは「二度と事件が起きないようにしてほしい」と願う声が上がった。

■ネットで購入

 「危険な凶器となりうるものが、これまで規制されていなかったことに憤りを覚えます。適切に法規制していただいて、今後は痛ましい事件が起こらないことを祈っています」


 昨年6月、兵庫県宝塚市の住宅で家族ら4人がボウガンで撃たれた事件。重傷を負った女性(50)は今回の銃刀法改正案について、そうコメントを寄せた。

 事件では女性の母親(75)と妹(47)、おい(22)の3人が頭などを撃たれて死亡した。現行犯逮捕された男(24)(殺人罪などで起訴)は死亡したおいの兄で、調べに「家族を殺すためにインターネットでボウガンを購入し、何度も練習した」と供述。殺傷能力の高い凶器をネットで容易に入手していたことが関係者に大きな衝撃を与えた。

 長野市でも昨年8月、無職の女(28)が70歳代の民生委員の男性にボウガンを撃ち、右腕に矢を貫通させる重傷を負わせた。女は殺人未遂容疑で逮捕され、同罪で起訴された。

 過去には動物が狙われる事件もあった。奈良市の奈良公園では2003年7月と10年3月、シカがボウガンで撃たれ、1頭が死んだ。同公園で保護活動を行う「奈良の鹿愛護会」の蘆村あしむら好高事務局長(65)は「ボウガンで狙われればひとたまりもない。規制されれば被害が起こりにくくなる」と法改正に期待する。