札幌市が設置し、外からの視点で市円山動物園の運営について話し合う「市民動物園会議」は7日、市が制定を目指す「市動物園条例」に必要な内容を提言書としてまとめ、秋元克広市長に提出した。「生物多様性の保全」を動物園の役割とし、動物本位の飼育環境を目指す「動物福祉」に配慮した運営を求める一方、民間施設も目指すべき条例とすることを求めた。委員らは「市町村で初の取り組み。国内外への広がりを期待する」と話した。
市は、円山動物園で2015年、不適切な飼育管理で動物が死ぬ事故が相次いだ反省から、動物園の役割やあり方を明確に示し、動物福祉を重視する条例の制定を進めている。
専門家や市民で構成する市民動物園会議(吉中厚裕委員長)は、内部に動物園条例検討委員会(金子正美委員長)を設け、条例制定に向けた提言を約1年かけて検討した。
提言書では、水族館、昆虫館なども含む動物園などの施設は、種の保存などの生物多様性の保全を担う施設と位置づける。条例は円山動物園だけでなく、市内の民間施設などが目指すべき姿も示すものとする。