伊賀市服部町の動物保護団体「わんらぶ」が保護犬のフォトブックを作ったり、県外で保護現場の様子を紹介したりするなど、活動の幅を広げている。代表の橋本慶志子(よしこ)さん(18)は「保護犬へのマイナスイメージを払拭(ふっしょく)したい」と、多くの人に理解を深めてもらおうと奔走している。
フォトブックは、命の瀬戸際に立った犬たちの姿を収め、九月に完成した。A4判で二十ページ。橋本さんが撮影した百枚以上の写真が使われている。譲渡会やイベントに持ち込み、訪れた人に見せている。
あるトイプードルの保護前と後それぞれの写真を見ると、毛が伸び放題で弱り切った様子から、生き生きとした表情に変わっている。橋本さんは「こんなにかわいいのに、保護犬なのかと聞かれることもある。本当の姿を知ってほしい」と訴える。
九月には大阪府の慈善団体に招かれ、県外で初めて保護現場の状況を紹介した。「最後まで面倒を見られるか、よく考えてほしい。本当に犬が好きなら、飼わないのも選択肢です」と語りかけた。
二〇一五年に団体を設立し、母の優さん(47)と自宅で飼育放棄犬二十匹を保護している。高校生のため、学校が休みの週末を中心に譲渡会に参加する。市内を中心に始めた活動は、ネットのブログで評判が広まり、愛知や岐阜、福島や富山などの飼い主にも譲渡するようになった。
遠方の飼い主候補には、二人に代わって相談に応じてくれる仲間もできた。優さんは「ネットワークができて、より多くの命を救うことができるようになった」と手応えを感じている。
保護犬のことをもっと知ってもらうため、橋本さんが撮りためた保護犬の写真を展示する催しを考えているという。