名古屋市営住宅強制退去で猫45匹 保護センターは苦心 | トピックス

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西岡矩毅

2018年6月12日09時24分  朝日新聞DIGITAL

 

 

 

写真・図版

本来、犬を飼育する場所にケージを置いて猫を飼育している=2018年6月9日午後1時42分、名古屋市千種区平和公園2丁目の市動物愛護センター、西岡矩毅撮影

 

 

 名古屋市北区の市営住宅の一室で多数の猫を飼っていた住人の女性が11日、強制退去処分になった。市動物愛護センター(同市千種区)が猫45匹を保護したが、すでに「定員」はいっぱい。職員らがやりくりに苦心している。

 

 センターによると、保護したのは部屋の明け渡し前に住人から依頼があった42匹と、11日の強制執行の際に新たに見つかった3匹。

 

 センターが想定する猫の収容は約100匹までで、すでにほぼ満杯。このため今回の45匹は、空いている犬用施設も使って飼育することにしたという。

 

 こうして全て保護するのは、河村たかし市長の指示に基づく異例の措置。従来は猫が寄せられると、病気の有無や性格、施設の空き状況などに応じて殺処分してきたためだ。

 

 センターの鳴海大助・管理指導係長は「すべての猫を救えるのが一番」。今回の猫だけが救われることには複雑な思いもあり「ほかの猫にしわ寄せがないようにしたい」と説明した。

 

 センターでは、ペットを飼う際、むやみに増やさないための避妊や去勢なども選択肢の一つと勧めている。迷子にならないように室内で飼ったり、飼い主の元に戻れるように連絡先を記した首輪をつけたりするのも効果的という。鳴海さんは「ペットを飼う際、最期をみとるという責任を持ってほしい」と訴える。

 

 名古屋市には、一定条件を満たせば猫の不妊手術代の補助制度がある。市動物愛護センターでは猫を譲渡する際、迷子になっても困らないように飼い主の連絡先などを記録したマイクロチップを有料で埋め込むことにしている。(西岡矩毅)