2018年02月21日 YOMIURI ONLINE
アマミノクロウサギをくわえるノネコ(環境省奄美野生生物保護センター提供)
整備中の一時収容施設
世界自然遺産登録を目指す奄美大島で野生化したネコ(ノネコ)が固有種を襲っている問題で、環境省と鹿児島県、島内5市町村はノネコの管理計画案をまとめた。捕獲後に引き取り手が見つからなければ、殺処分する。3月5日まで地元住民の意見を募り、同月下旬に計画を策定する。
計画期間は4月から10年間。環境省がわななどでノネコを捕獲し、奄美市の一時収容施設に移す。その後、5市町村でつくる「奄美大島ねこ対策協議会」が1週間を期限に引き取り手を探し、見つかった場合は、ワクチン接種など必要な措置を行った上で譲渡する。見つからなかった場合は、薬剤注射で安楽死させる。
一時収容施設は、県と5市町村が計約1500万円を負担し、旧大島工業高の敷地内に整備中。3月末に完成予定で、最大50匹を収容する飼育スペースを設ける。環境省は、初年度の捕獲数を300~360匹と見込んでいる。
同省によると、奄美大島に生息するノネコは推定600~1200匹。国指定特別天然記念物・アマミノクロウサギなどを襲っていることから、生態系への影響が危惧されている。