雪 路面に残り盲導犬ユーザー困惑 点字ブロック消え危険 | トピックス

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毎日新聞

 

 

盲導犬を連れて雪道を歩く赤塚さん。降雪の影響で点字ブロックが途中で消えている=新潟市中央区で

 

 

 まとまった雪が降り続く冬本番の新潟県内で、路面や歩道に残る雪が盲導犬ユーザーの頭を悩ませている。除雪により普段ない段差や障害物が現れたり、積雪で点字ブロックが消えたりして危険が一層増すためだ。日本盲導犬協会仙台訓練センター(仙台市青葉区)が12日、新潟市中央区で開いた勉強会に参加して、ユーザーの切実な悩みを聞いてきた。【堀祐馬】

 勉強会には弱視や全盲のユーザーとその家族ら約10人が参加。はじめに、全盲の赤塚セツさん(72)=新潟市中央区=らが盲導犬と共に雪道歩行を体験した。赤塚さんは「道路が凍っていると滑って怖い。普段ない雪の段差があったりして大変」と話した。「冬はなるべく外には出歩かないようにしている」というユーザーもいた。

 

 その後に行われた座学では、除雪で歩道が塞がれ車道を歩くことが多くなることや、積雪で横断歩道や点字ブロックが消えて方向感覚がつかみにくくなることを職員が解説した。雪は音を吸収するため、車の騒音や音響式信号機の音が聞き取りにくくなることにも注意が必要だという。

 

 新発田市に住む全盲の星野恵美子さん(61)は「消雪パイプから水が出ていたせいで盲導犬に予期せぬ場所に連れて行かれたことがあった」と雪国ならではの悩みを打ち明けた。

 

 これに対し職員は、事故や道に迷うことを極力減らすためには、方角を音声で示す音声コンパスなどを用いてどの方向に歩いているのかを日ごろから確認しておく癖をつけることや、車との接触を避けるために遠回りでも左側通行のできる道路を選ぶことが重要だと話した。

 

記者も雪道歩行体験

 記者も盲導犬見習いの大型犬ランと一緒に目を閉じて雪道歩行を体験してみた。

 

 左手にハーネス(胴輪)を握り「ゴー。ストレート」と言うと、ランがゆっくりと歩き出した。いつもはなんともない雪道でも、目を閉じると途端に恐怖感が増幅し、細かな雪の段差に思わず足を取られそうになった。転ぶことはなかったが、ただでさえ雪で狭くなっている歩道を盲導犬と並行して歩くのは非常に難しいと感じた。

 

 雪道にかかわらず、困っている盲導犬ユーザーを見かけた場合どうすれば良いのか。同センターの金井政紀センター長は「仕事中の盲導犬には触れてはいけないが、雪道にかかわらず困っている盲導犬ユーザーを見かけた際は声をかけてほしい」と話した。