兵庫)セラピー犬「まるこ」児童書に 豊岡 | トピックス

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2017年10月27日11時26分  朝日新聞DIGITAL

 

 

 

写真・図版入居者のお年寄りや職員らに本の出版を祝福されるまるこ=豊岡市日高町十戸

 

 

 

 豊岡市日高町の特別養護老人ホームでセラピー犬として活躍するメスの雑種犬まるこが児童書になった。まるこの働きぶりを紹介した新聞記事を目にした出版社の担当者が「人の役に立つ犬の存在を多くの子どもたちに知ってほしい」と出版を決めた。

 

 まるこは12歳。捨て犬だったが、犬の保護活動に取り組むボランティアに救われた。災害救助犬やセラピー犬を育てる「日本レスキュー協会」(伊丹市)で訓練を受け、2006年1月に特養ホームのたじま荘にやってきた。談話室でお年寄りと過ごして犬用のお菓子をもらったり、施設のホールで週1回開く「まるこカフェ」でお客さんを出迎えたりしている。

 

 お年寄りの癒やしの存在になっているとして、昨年10月に県動物愛護協会から功労動物の表彰を受けた。表彰式の様子を紹介した記事を読んだ岩崎書店(東京)の担当者が本にすることを思い立ち、神戸市生まれのフリーライター輔老心(すけ・たけ・しん)さんに取材と執筆を依頼。今月13日、「いやし犬まるこ お年よりによりそう犬の物語」(A5判144ページ、税抜き1300円)を発売した。

 

 たじま荘の上田あゆみ所長(52)は「まるこは芸をすることもない、普通のおとなしい犬です。お年寄りや職員は、その存在自体に癒やされているのだと思います」と言う。

 

 岩崎書店編集部の田辺三恵さんは「捨て犬だったまるこは一歩間違えば殺処分されていたかもしれない。どんな命でも、生きていれば誰かの役に立つし、誰かがその価値を認めてくれるということが伝わればうれしい」と話す。

 問い合わせは岩崎書店(03・3812・9131)。

(藤本久格)