カラパイア 7月29日(土)9時30分
タカラトミーが2002年に発売した「バウリンガル」は、犬の首輪にワイヤレスマイクを装着し、犬の鳴き声を日本語に翻訳するというもので、大ヒット商品となり、2002年度のイグノーベル賞平和賞を受賞した。
今ではスマホ用のアプリとして提供されているが、それよりもすごいテクノロジーが開発されつつあるそうだ。
ネット通販大手、amazonが関連するあるレポートによると、10年以内に人間と犬との会話を可能にする製品が販売されるかもしれないそうだ。
「ネクストビッグシング」の未来学者ウィリアム・ハイアムが共著者である研究は、ペットに優しい製品への需要が伸び続けるにつれて、そのテクノロジーは現実味を帯びてくるという。
「成功する革新的製品は本物の主要消費者のニーズに基づく。大勢の人々にとってペットは大切な子供であり、そのペットに現在費やされている金額は、そこに消費者の巨大な需要があることを示している。誰かがそれを一つにまとめ上げることだろう」
【AIを利用して鳴き声を解読】
本レポートは、米ノーザンアリゾナ大学の研究を踏まえている。その研究ではAIを利用して、プレーリードッグの鳴き声を解読し、彼らが「言語のあらゆる側面を保有する洗練されたコミュニケーションシステム」を使っていることを明らかにした。
著者のコン・スロボドチコフ教授は、「プレーリードッグはさまざまな捕食動物種を表したり、人間の衣服の色や動物の被毛を言い表す言葉を持っています」と説明する。
同教授はペット翻訳機の登場もそう遠い未来の出来事ではないと話す。「とても多くの人々が愛犬や愛猫と話をしたいと心より願っています。そこまで行かなくても、何を伝えようとしているのか分かればなぁ、とね」
「犬に話しかけて、秘密を共有している人は大勢います。猫についてはどうでしょうね。『うるさいニャ、餌だけよこして、あとは放っておけニャ』なんて感じに思えるときが多々ありますから」
一方、犬と人間のコミュニケーションを分析している英ポーツマス大学の心理学者ジュリアン・カミンスキ氏は、そうしたテクノロジーにそれほど現実味があるとは考えていない。
「犬のコミュニケーション様式が科学的な意味での言語として捉えられることはないでしょう。犬は欲求や感じていることを原始的なサインとして発しているに過ぎません」