5/29(月) 20:45配信 関西テレビ
6万7091匹。
これは2015年度に全国の自治体で殺処分された猫の数で、その多くが野良猫です。
地域の厄介の種となることも多い野良猫ですが、トラブルは減らしつつ殺処分も減らす全国で初めての取り組みが、神戸市で始まりました。
【猫を捕まえる協議会の職員】
「はーい、ごめんごめーん」
檻の中で暴れる姿を見ると少し心が痛みますが、これも猫の「命を救うため」の取り組みなのです。
神戸市兵庫区のこの町には、約30匹の野良猫がいます。
愛らしい姿に心を癒されることもありますが…。
【住民】
「うちの庭なんかはトイレになってましたね。ぷーんと嫌な臭いがしてきますし」
「もうすごいですよ。ギャーギャーギャーギャー鳴いてますからね、小さい子は」
野良猫のトラブルに悩まされているのはこの町だけではありません。
神戸市には去年1年間で、約340件相談や苦情が寄せられました。
そんな問題を解決するためにこれまで取られてきた方法が…神戸市内で去年、殺処分された猫の数は406匹。
そのうち約9割は手がかかるため、施設で面倒を見ることが難しい子猫です。
【神戸市獣医師会・中島克元会長】
「動物愛護の精神からしても、何とかしないとしないといけない」
トラブルを減らしつつ命も守るため…。
神戸市は今年4月、全国で初めてとなる「人と猫との共生に関する条例」を施行しました。
【人と猫の共生推進協議会・森喜平事務局長】
「増やさないのが非常に大事なので。効果が早く現れるのが繁殖制限、不妊去勢手術じゃないかなと思っています」
獣医師会や保護団体で構成される協議会が、野良猫の多い地域の情報を集めて捕獲作戦を実施。
地域の野良猫は、全て提携する動物病院で去勢手術を行ってから地域に戻し、自然に頭数が減るのを待つという仕組みです。
発生する費用は、全て神戸市が負担します。
【記者リポート】
「今、猫が捕獲器の中に入りました。捕まりました」
【住民】
「増えたら猫もかわいそう。良いと思いますよ」
この日は12匹の野良猫が捕まえられたということで、今月30日と31日で、残った全ての猫を捕獲する予定です。