犬猫殺処分ゼロへ拠点…津に28日開所 | トピックス

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2017/05/12  YOMIURI ONLINE

 

「最後まで飼育」啓発

 

 犬や猫の殺処分ゼロに向けた中核施設となる県動物愛護推進センター(愛称・あすまいる)が28日、津市森町に開所する。

 これを前に11日、報道機関向けの内覧会が開かれた。推進センターは犬・猫の譲渡やペットを最後まで飼う「終生飼養」を積極的に呼びかけるのに加え、大規模災害時は動物の救護拠点としての役割を担うのが特徴だ。(菊池宏一郎)

 

獣医師と連携、災害救護も

 

  • 28日に開所する県動物愛護推進センター
    28日に開所する県動物愛護推進センター
  • 新たな飼い主を待つ子猫
    新たな飼い主を待つ子

 県によると、2016年度、県内では、犬・猫191匹が殺処分された。民間ボランティアなどの協力で、新しい飼い主に譲渡されるケースが増え、前年度より175匹少なくなっている。

 県動物愛護管理センター跡地に約2億3000万円をかけて整備された推進センターは、木造2階延べ547平方メートル。管理センターで数匹分だった犬・猫の飼育スペースが計約80匹分に増え、県は殺処分を大幅に減らせるとして23年度までに殺処分ゼロとする目標を掲げている。

 

 内覧会では、新しい飼い主が犬や猫をガラス越しに見ることができる展示室や飼育室、運動場となるドッグランなどが公開された。鈴鹿市の民家の物置で生まれ、親猫に育児放棄された生後約40日の子猫が飼育され、飼い主を待っている。

 

 一方、11年の東日本大震災を機に浮上した災害時のペット救護問題への対応として推進センターは、飼い主とはぐれたペットの保護や傷の治療を行うことにしている。昨年の熊本地震で熊本市のセンターがドッグフードなどの配給拠点になったように、三重県でも災害拠点の役割を担う。

 

 今年1~2月の県民意識調査で、国や自治体が取り組むべき動物愛護の施策を複数回答で聞いたところ、「被災ペット対策の充実」を挙げた人は25・2%。「犬や猫などの譲渡推進」(36・3%)などに次いで多く、災害への備えを求める声が高まっている。

 全国的には、獣医師らでつくる災害時の動物医療支援チーム「ブイMATマット」の結成も始まっており、三重県も市町や獣医師などと連携する体制の構築を急ぐ。獣医師の久米徹・センター所長(50)は「ペットを大切な家族と考える人が増えており、動物の命を守る役割を果たしたい」と話している。

 

 センターの開館時間は午前9時30分~午後4時30分(水曜日と土曜日は休館)。

 14日午後1時30分~午後3時30分に県民向けの内覧会が開かれる。問い合わせは同センター(059・253・1238)。

 

2017年05月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun