山陽新聞デジタル 2/17(金) 8:30配信
用水路に転落した岡山県玉野市内の
男性(78)を発見し、助けたとして15日、
医療アドバイザー橋本良美さん(52)
=玉野市=ら4人と、犬の忠太郎
(ちゅうたろう)=雑種、雄4歳=
が市消防本部から表彰された。
「忠ちゃんが見付けてくれて本当に
よかった。すごいね」。橋本さんは
一緒に喜んだ。
橋本さんは県動物愛護センター
(岡山市北区)との共同事業で、
犬の保護に取り組むボランティア団体
「あにまるセカンドライフin岡山」を
運営。忠太郎を保護犬として世話している。
当時を振り返る橋本さんと忠太郎
「ワンワンワンワン!」。
昨年12月6日午後0時半ごろ、
玉野市東高崎。橋本さんに連れられて
散歩していた忠太郎が、激しくほえて
走りだした。
「普段はおとなしいのに。
どうしたんだろう」。
ぐいぐいと用水路まで引っ張られた。
何かを吸い込むような音が聞こえた。
のぞき込むと、水面に男性の口元が。
呼吸の音だった。
橋本さんはすぐに用水路
(深さ約70センチ)の中へ。
男性を引き上げようとしたが、
水を含んだ服が重く持ち上がらなかった。
「人が落ちてるの。死にそうなの」。
大声に、近くの同じ会社に勤務する
井上祐一さん(54)=同市、
三宅将生さん(50)=同、
岡武遼佑さん(23)=岡山市南区=が
駆け付けた。4人で男性を引き上げた。
橋本さんは近くに住む親戚に119番を
依頼。医療機関で働いた経験から、
脈拍数などのバイタルサイン(生命兆候)、
意識レベル、けがの有無などを確認。
救急隊員が到着するまで気道確保を
続けた。男性は市内の病院に搬送され、
一命を取り留めた。
市消防本部が人命救助で犬を
表彰したのは初めて。井上さん、
三宅さん、岡武さんも表彰された。
表彰式が消防本部であり、橋本さんと
忠太郎が出席。澤満也消防長が感謝状と
記念品を手渡し、早期発見と機転の
利いた迅速な行動をたたえた。
橋本さんは「男性が助かって何より」
と話した。