アナグマの死骸写真が大炎上、害獣駆除と動物愛護の狭間 | トピックス

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DIAMOND online 2017/01/07降旗 学

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昨年末、大晦日につく除夜の鐘に

“うるさい”とクレームがつき、鐘つきを

やめた寺があると知って私はたいへん驚いた。

それも一山や二山ではないらしいと知って

もっと驚いた。  

〈最近では騒音問題だけでなく住職の 

高齢化や焚き火したり甘酒をふるまったり

 するボランティアが減少し中止する寺院も 

出てきているという〉(J-castテレビウォッチ)  

“お坊さん便”が登場して利用者が増えたとき、

 公益財団法人全日本仏教会は“お布施の金額 

表示には一貫して反対”“お布施は 

サービスではない”等々の批判コメントを

出してお坊さん便を牽制したが、

除夜の鐘を取りやめる寺院については何ら

策を講じていないのかもしれない。

坊主は丸儲けできないことには興味が

ないのかも。 

除夜の鐘は鎌倉期に中国から伝わったもの

らしい。当初は住職がひとりで一〇八回

ついていたが、江戸時代後期から一般の

参拝者も加わるようになったそうだ。

八〇〇年以上続く伝統は日本人のDNAに

しっかり染みついているのだ。

鐘をつかなくても、鐘の音を聞くことで

私たちは煩悩を取り払い、清らかな気持ちで

新年を迎えるわけだが、では、いったい、

どんな人が除夜の鐘をうるさいと思うの

だろうか。 

日本の伝統文化に無神経か批判的な人たち……、

と書いてしまうとバイアスがかかって

しまうからやめるが、静岡県のある寺院では、

苦慮の末、大晦日の正午から

除夜の鐘(?)をつくことにしているそうだ。

除夜の鐘にはうるさいとクレームをつけた人も、

“除午の鐘”には苦情を申し立てなかったらしい。 

〈(前略)時間の前倒しによる利点もあった。

昼間は足下もよく見え、つまづきにくい。

子どもからお年寄りまで幅広い世代が

参加しやすく、地域住民同士の交流に

つながる(後略)〉 

朝日新聞の北川サイラ記者は、除午の鐘の

ほうが“地域住民同士の交流につながる”とし、

それを“御利益”と書いた。そうかあ? 

なんだか、朝日が書くと日本の文化の

崩壊を喜んでいるようにしか感じられないのは私だけなのだろうか。 それはさておき、

除夜の鐘。ツイッターが大炎上するばかりか、

通学する高校にまで三〇〇〇件を超える

苦情の電話がかかってきたというあの高校生は、

どんな思いで除夜の鐘を聞いたのか――?

 〈おいん家の玄関におったけん、後ろからバットでフルスイングしてぶち殺してやった〉 

こうした書き込みとともに、佐賀県在住の

高校生は、自らの手で撲殺したアナグマの

写真をSNSにアップした。アナグマの

死骸が口から血を流していたこともあってか、

この高校生のツイッターは大炎上し、

ツイッターアカウントに高校がわかる

記述があり、通っている高校にも苦情の

メールや電話が殺到した。 

学校側はクレーム内容を明らかにしていないが、

この生徒に事情を訊き、

「男子生徒は七月(二〇一六年)、

自宅の花壇を荒らしているアナグマを発見し、

バットでフルスイングではなく、

棒で追い払うつもりでアナグマをちょっと

叩いたら命が絶えてしまった。

両親に駆除したことを報告するために

写真一枚を撮ったということでした」

(J-castテレビウォッチ) と説明した。

ちょっと叩いただけで口から血を吐いて

絶命することは滅多にないのだが、

報道によるとこの高校生は過去にも

似たような投稿をしていたのだという。 

高校生のツイッターに寄せられた批判は、

大きく二つに分けられる。ひとつは、

残酷だ、アナグマがかわそうという

シー・シェパード並みの屈折した

動物愛護精神からくる批判だ。

こういった批判をする人たちはおそらくは

お花畑に住んでいて、“害獣”による農作物被害の

現状を知らない幸せな人たちなのかもしれない。

続く