時事通信 8月26日(金)14時58分配信
日本猫が祖先で、1960年代から米国で
繁殖が始まった品種
「ジャパニーズボブテール」の尾が短い
原因遺伝子を解明したと、中国の北京大
チームが26日までに英科学誌
サイエンティフィック・リポーツに
発表した。この遺伝子「HES7」は、
人間の場合は変異があると誕生時から
脊椎や肋骨(ろっこつ)に異常が生じる。
一方、英マン島に古来生息する猫
「マンクス」の尾がなかったり極端に
短かったりするのは、「Tボックス」と
呼ばれる遺伝子群が原因であることが
知られている。中国南部に生息する尾が
短めの猫は、さらに別の遺伝子が原因で
あることも分かった。
ペットの猫(イエネコ)は約1万年前に
中東でヤマネコが飼いならされ、世界に
広まったと考えられている。それ以来、
尾が短くなる遺伝子変異は少なくとも
3回、別々に起きたと考えられるという。
日本の猫は6世紀に中国から仏教が
伝来した際、経典をネズミから守る
ために一緒に連れて来られたという説が
ある。研究チームは、日本猫と祖先が
同じとみられる中国南部・広州市の尾の
短い雌猫と、尾が普通の長さの
アメリカンショートヘアの雄をペアにし、
生まれた11匹の子とともに遺伝子を
解析した。
その結果、母親と子の雌雄8匹は
HES7遺伝子に変異があって尾が短く、
父親と子の雌3匹には変異がなく
長かった。12匹のジャパニーズ
ボブテールを調べると、全部の猫の
HES7遺伝子が変異していた。
中国南部の尾が短めの猫を多数
調べると、HES7もTボックス遺伝子群
にも変異がない猫が3分の1を占め、
別の遺伝子が原因と推定された。