
岡山県動物愛護センターで新たな飼い主を待つ犬
岡山県動物愛護センター
(岡山市北区御津伊田)と岡山、
倉敷の両市保健所で収容した犬の
「殺処分」が激減している。
2015年度は101匹と、この5年間で
10分の1になった。ペットの安易な
引き取り要請を自治体が拒否できる
ように定めた改正動物愛護管理法の
施行で、引き取り数が減少したことに
加え、収容後に新たな飼い主を見つける
「譲渡」の増加などが背景にあると
みられ、救われる命は着実に増えて
いるようだ。

岡山動物愛護センターと岡山、倉敷両市で収容した
「殺処分」と「譲渡」の推移
犬の殺処分 岡山県内で激減
5年間で10分の1、譲渡が増加
岡山県動物愛護センターと岡山、
倉敷の両市保健所で収容した犬の
「殺処分」と「譲渡」の推移
センターと両保健所によると、
10年度に1161匹に上った殺処分は
年々減少し、13年度(310匹)は
前年度比で7割の大幅減を達成。
施設別でみても、15年度はセンター58匹、
岡山市保健所16匹、倉敷市保健所27匹と、
いずれも5年前の10分の1に抑えられた。
要因の一つは収容数の減少だ。
センターでは、飼えなくなった犬の
引き取り数が15年度に53匹と、
10年前との比較では10分の1以下に
減った。正当な理由がなければペットの
引き取り要請を自治体が拒否できるように
定めた改正動物愛護管理法(13年9月施行)
が奏功しているとみられる。
「収容数が減れば殺処分数は確実に
少なくなる。犬を連れてきた飼い主には
できる限り自らの手で譲渡先を見つける
よう促している」とセンター管理課の
安井正広課長は強調する。
一方、センターと両保健所が力を
入れるのが「譲渡」だ。センターは
収容した犬と引き取り希望者を
マッチングさせる「譲渡会」を月4回開催。
ホームページには収容した犬の種類、
性別といった特徴と写真も掲載しており、
譲渡数は15年度268匹と、5年前の1・8倍に
増えた。岡山、倉敷の両市保健所も
年々増加傾向を示し、15年度はそれぞれ
164匹、224匹だった。
センターによると、県内では民間に
よる犬の保護、譲渡の取り組みも活発に
行われ、殺処分抑止に貢献しているという。
安井課長は「殺処分がゼロにならない
限り尊い命は失われている。飼い主には
家族の一員として最期まで向き合うよう
働き掛けていきたい」と話している。