強制交配・出産ループの末、食用犬として出荷……韓国「子犬製造工場」の実態に怒りの声 | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2016年5月18日 15時0分 日刊サイゾー

無理やり妊娠・出産を
繰り返させられている犬たちが
集まった、いわば「子犬製造工場」
の存在が、韓国社会に大きな衝撃を
与えている。




 日本の『天才!志村どうぶつ園』
(日本テレビ系)に近い、韓国の
動物バラエティ番組『動物農場』
(SBS)が約6カ月に及ぶ取材で
暴き出した子犬製造工場の実態は、
同番組のMCやゲストはもちろん、
ナレーターまでショックのあまり
泣きだすほど残酷極まりないものだった。

 番組が取材したのは、19年に
わたって犬の“繁殖業”に
携わってきたという、ひとりの女性。
彼女は、表向き動物飼育場を装った
子犬製造工場を裏で営み、
犬を商売道具にしていた。
数え切れない数の犬たちを鉄製の
檻に閉じ込め、強制的に交配させるのは
日常茶飯事。時には発情誘導剤を飲ませ、
それでもダメな場合は、オスの精液を
メスの子宮に直接注入していたという。
精液をうまく着床させるべくメスの
おなかを叩いたり、ぶら下げて
揺らしたりといった行為を、
番組スタッフの前で平然とやって
のけたほどだった。

 妊娠はしたものの、自然分娩できない
場合は、この女性自ら帝王切開を強行。
もちろん、彼女に獣医師の資格など
あるわけもない。
「病院で手術を見て学んだ」といい、
帝王切開を行うにあたって、
違法な麻薬類を麻酔剤代わりに
使うこともあるそうだ。

 そうやって生まれた子犬たちは、
すぐ母犬から引き離され、
「代理母」と呼ばれる別の犬の
もとで育てられる。その間、
母犬にはまた強制的に妊娠と出産を
繰り返させるというわけだ。
もはや妊娠も出産も不可能になって
しまった年老いた母犬は、食用犬と
して売り飛ばされる。犬をまるで
機械のように扱う子犬製造工場は、
犬たちにとってはまさに生き地獄
だった。

 そもそもこの取材は、
“スジ”という名の一匹の犬が
きっかけだった。年齢的に出産が
難しくなって食用として売りに
出された8歳のメス犬スジは、
奇跡的に救出された。救出直後は
腹部周辺に手術の痕が異常に多く、
脱腸や腫瘍など、さまざまな問題が
あったという。驚愕すべきは内臓の
状態で、獣医の話によると「誰かが
内臓を全部出してから、ぞんざいに
放り込んだように見えた」という。

 番組放送後、視聴者からの反響は
すさまじく、子犬製造工場に対する
怒りの声が噴出。現在、
子犬製造工場撲滅のための
「動物保護法改正」を求める
署名運動が起きている。

 近年、韓国では、痛ましい
動物虐待が絶えない。先日も
釜山で頭蓋骨が粉々に砕かれた
子猫3匹が路上で死んでいるのが
見つかったほか、先月の国政選挙中、
ある候補者が犬をボコボコに殴った
ことが発覚している。

 このような事件が起きる理由は
いろいろあるだろうが、
そのひとつとして挙げられるのは
「動物の命の尊厳に対する認識不足」
だ。動物保護団体の関係者は言う。

「韓国では、他人の動物にケガを
させた場合、“財物損壊”として
処罰されます。これは、いまだに社会が
動物をモノとして認識している証拠
ではないでしょうか」

 命ある動物をモノとして扱う、
その認識。
どうか一日も早く変えてほしいものだ。