新潟県、猫や犬の殺処分ゼロ目標に不妊・去勢手術費を補助 | トピックス

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2016/05/11 産経ニュースより

野良猫や犬の殺処分数ゼロを目標に掲げ、
県が今月から動物愛護策の強化に
乗り出した。
飼い主のいない猫の
不妊・去勢手術費を補助するほか、
個体を識別するマイクロチップを
埋め込むことで迷子になったペットを
飼い主に戻し、殺処分を防ぐ。
飼い主のいない雌猫に不妊治療を施す
対策に7年前から取り組んでいる新潟市も、
さらなる殺処分数の削減に向けて
力を入れている。

県によると、殺処分は猫が圧倒的に多く、
新潟市を除く県内では
平成27年度に猫が574匹、
犬が20匹だった。
同市を含めた県全体では猫1117匹、
犬30匹の計1147匹となっている。
ただ、県全体で2053匹
(猫2008匹、犬45匹)だった
26年度と比べると半分以下に減った。

急減の理由について、県は
メディアの報道などを通じて動物愛護の
意識が高まったことが主因と分析。
「この流れを継続させ、
さらに削減を図りたい」(生活衛生課)と
意気込む。

新潟市を除く県内各地を対象に県が始めた
不妊・去勢手術費の補助は、
猫1匹当たり雌1万円、雄5千円。
手術費は病院によって異なるものの雌が
2万~3万円、雄が1万~2万円と
されることから3分の1程度を
補助することにした。

来年1月末まで各保健所で受け付けるが、
補助額が150万円に達した時点で
打ち切るという。

さらに県動物愛護センター(長岡市)で、
マイクロチップ(長さ8ミリ~12ミリ、
太さ2ミリ)を犬や猫の首の後ろに注射して
挿入し、識別の効果を確認する
モデル事業も始めた。
新しい飼い主が引き取る際、約70匹を
対象に実施する予定。同課の担当者は
「異物の挿入に対する飼い主の抵抗感を
払拭し、生活に支障がないことを
確認してもらいたい」としており、
マイクロチップの普及を図る構えだ。

同課によると、雌猫は年2~3度出産し、
1度に4~8匹生まれる場合が多い。
「自宅の軒下で野良猫に餌を
与えていたら、子猫が20匹に
増えて困っている」
といった相談も寄せられており、同課は
「まず手術の手続きをしてほしい」と
呼びかけている。

県の場合、殺処分は麻酔注射などで
行っている。
対象は、人になつかない猫や人をかむ犬、
病気で寝たきりの犬、交通事故に遭った猫、
飼い主が経済的理由で
飼い続けられないペットなどさまざまだ。

一方、新潟市では21年度から
同市動物愛護協会が雌猫の不妊手術費を
1匹当たり1万円助成し、このうち半額の
5千円を市が負担している。
同市では27年度の猫と犬の殺処分数が
553匹と県内の半数近くを占めるが、
36年度には340匹までに減らすのが目標。
市の担当者は
「市動物愛護センターへの収容数を減らす
対策が欠かせない」として、
地域ぐるみで飼い主のいない猫に
不妊治療を施す取り組みを推進している。