
倒壊した家の下に入り込み
取り残された人を探す
災害救助犬
=熊本市益城町
17日も熊本県内の一部の地域では
地震の行方不明者の捜索が続き、
多くの死傷者を出した益城町では
専門家による被災した建物の
調査が行われた。
被害に遭った現場では、
犠牲者をいたむ人たちの姿もみられた。
益城町では17日朝から、
警察と消防、陸上自衛隊の
計850人が、倒壊した家屋などに
取り残された人がいないかを調べた。
15日にも一部の地区で調べたが、
16日未明の地震を受け、
全域に広げて実施した。
愛知県警の調査には災害救助犬も参加。
NPO法人「愛知災害救助犬協会」の
ゴールデンレトリバー2頭は
同町惣領で崩れた民家の下に入り込み、
逃げ遅れを「鼻」で判別した。
人が恐怖や興奮を感じたときに
出す臭いに反応するという。
阪神大震災を機に設立された同会は、
新潟県中越地震など多数の
災害派遣経験があり、愛知県警と
災害協定を結んでいる。
この日は不明者の発見に至らなかったが、
今後も要望があれば応じるという。
野口英美子事務局長(63)は
「外観だけでは分からない家が
ほとんど。一人でも多くの生存者を
見つけられれば」。
10人を超す死者・行方不明者を
出した南阿蘇村でも自衛隊や警察、
消防の計2500人態勢で、
午後2時現在で行方の分からない
8人の捜索に全力をあげた。
(籏智広太、浜田祥太郎、尾立史仁)

大きく崩れたアパートを調べる判定士=益城町