犬猫殺処分の減少率に鈍り…県、目標達成は難しく 野良猫が減らず | トピックス

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2016年4月5日埼玉新聞

県は保健所などで引き取り手が
見つからないまま殺処分される
犬や猫を減らそうと力を
入れているが、その減少率が
鈍ってきた。

 昨年度の殺処分数も1705匹で、
目安にしていた1500匹を
クリアできず、本年度末までに
千匹未満に抑える目標の達成は
難しい状況だ。

猫の殺処分の約8割を占める
野良猫が減らないことが、
ブレーキの要因になっている。

 殺処分される犬や猫の減少率
(前年度比)をみると、
2013年度29・4%、
14年度20・2%、
15年度は12・1%。

 県の動物愛護管理推進計画
(08年3月策定)では、
犬猫の殺処分数(06年度9118匹)を
17年度末までに半減する目標を立て、
6年前倒しで達成。

その後見直した計画は
23年度末までに500匹未満に
減らす目標にした。

 さらに県5か年計画では、
最終年度の16年度末までに
千匹未満にする目標を掲げている。

 殺処分数が大幅に減った背景には、
動物愛護の高まりや飼い主などへの
啓発が進んだことがある。

犬は06年度の3605匹から、
15年度は約10分の1の381匹に
減った。

 しかし、猫は06年度の
5513匹に対し15年度は
1324匹で、犬に比べ減少率が
小さい。

殺処分される猫の約8割は
野良猫で、子猫が多くを占める。

猫は繁殖率が高く、
1年に2、3回妊娠し1回に4~8匹
出産するとされる。

 野良猫を増やさずに殺処分も
避ける方策として、県が推進して
いるのが「地域猫」活動。

野良猫に不妊去勢手術を施して
繁殖を抑え、地域住民と協力して
野良猫の餌や排せつなどを管理する。

一代限りで命を全うさせ、
自然減を目指す取り組みだ。

 県は地域猫活動推進事業として
市町村に年額40万円を助成。

昨年度は吉見町、上尾、入間、
所沢、八潮、蓮田、草加、狭山、
戸田、吉川、秩父市の10市1町が
活用。

県生活衛生課は「地域猫活動に
重点的に取り組み、処分ではなく
自然減を目指したい」とする。

 上尾市は先月、上尾伊奈獣医師協会
(藤倉勉会長)と
「飼い主のいない猫の不妊・
去勢手術実施協定書」を締結した。

獣医師が上尾市内で保護された
野良猫の去勢手術(雌で1匹2~3万円)
を無償で行う県内初の取り組み。

 藤倉会長は「かわいそうな命を
増やしたくない」と話し、
官民一体で殺処分ゼロを目指す。