犬の殺処分 減らしたい 鹿嶋の学習塾経営・角新一さん、雌の避妊手術補助基金創設 /茨城 | トピックス

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毎日新聞2015年12月4日 地方版

 鹿嶋市宮中5、学習塾経営、
角新一さん(49)が、屋外で飼われる
雌犬の避妊手術費用を補助するため
基金を作り、支援を呼び掛けている。

全国の都道府県で2番目に多い犬の
殺処分数を、少しでも減らすためだ。

「殺されかねない子犬を産ませない」。

そんな信念がにじむ。【岩本直紀】

 角さんが犬の殺処分問題に関心を
持つようになったのは、4年前、
ミニチュアダックスフントの愛犬「トト」
の交通事故死がきっかけだった。

新たな犬を飼おうと、インターネット
などで探したところ、犬猫の里親を探す
保護団体「アルマ」(東京都)が
「トト」そっくりの犬を保護
しているのを知った。

かみ癖があるため飼い主から見放され、
殺処分される予定だったという。

引き取って里親になったことから
保護団体の預かりスタッフとなり、
活動にも協力するようになった。

 県によると、2013年度の
犬殺処分数は2158匹で、
香川県(2360匹)に次いで
全国で2番目に多かった。

県動物指導センターで殺処分される犬の
数は、12年度まで8年連続全国最多。

角さんが注目したのは、
同センターに持ち込まれる子犬の数。

鹿行地区は捕獲頭数が多く、
13年度は811匹が殺処分されている。

角さんは「預かりボランティアの数を
増やして保護するよりも子犬の出生数を
減らすほうが良いのでは」と考えた。

 今年3月、私費100万円を投じて
犬の避妊手術費用を助成する基金を創設。

自身が経営する塾の名称から
「けいせつ基金」と名付けた。

鹿行地区を対象に、屋外で飼育されている
雑種の雌犬を条件とした。

避妊手術代のほぼ全額に相当する
3万円を助成し、これまでに30匹が
避妊手術を受けている。

角さんは「母犬が毎回6匹出産すると
仮定して、3回の出産で18匹。
30匹の手術を終えているので、
540匹の子犬が殺処分されずに
済んだはずだ」と計算する。

 基金の活動期間は2年間を想定している。

「殺処分が多い」という県のイメージを、
愛犬家として払拭(ふっしょく)したい
という。

基金創設に合わせて開設したブログには、
全国の愛犬家や趣旨に賛同する人から
メッセージが寄せられている。

活動の輪を広げるため、
1人当たり3000円、
10人で1匹分の3万円の支援を
求めている。

問い合わせは角さん
(0299・84・1980)。