動物引き取りの現状は? 愛知県は2600頭殺処分に | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2015年10月11日 9時25分Livedoor newsより


[写真]新しい飼い主を待つ猫たち(愛知県動物保護管理センター本所で)

年間約12万8000頭──。
これは、2013年度に全国の自治体で
殺処分された犬や猫の数字だ。

このうち愛知県内では、
県動物保護管理センター本所
(豊田市穂積町)と、
名古屋市動物愛護センター
(名古屋市千種区)で、
やむなく引き取った約2600頭が
殺処分となった。

県動物保護管理センター本所の
最新データでは、
2014年度の殺処分数は1603頭と、
前年と比べてほぼ同数で
推移している。

国は昨年、犬や猫の「殺処分ゼロ」を
目指す計画を発表し、
行動を加速させている。

県内の動物引き取りの現状を追った。

猫は野良猫が産んだ子猫がほとんど



引き取った動物たちの譲渡を
すすめる愛知県動物保護管理センター本所
(豊田市穂積町で)

 県動物保護管理センター本所には、
名古屋市以外の市町村を管轄する
尾張、知多、東三河の各支所から、
やむなく引き取られた犬や猫が
収容される。

2014年度、市民の依頼や、
所有者不明として警察からの依頼で
引き取った犬や猫は1199頭。

このうち半数は飼い主への返還や
新しい飼い主に譲渡された。

内訳は、犬が80頭に対し、
猫は1119頭と、犬の14倍近くに上る。

 9月下旬、同所2階にある
試験検査室には、ケージに入った
42頭の猫が、新しい飼い主を
待っていた。

「この部屋はケージを置く
場所ではないのですが、
従来の場所に収まりきらないので、
急きょスペースを作りました。
こんな状況は初めてのことです」と
男性職員。

大人から子どもの猫まで、
年齢はさまざま。

主に所有者不明で引き取った猫たちだ。

 市民からの犬や猫の引き取り理由は、
飼い主の高齢化や、引っ越しで
従来のように飼えなくなったなど、
理由はさまざま。

猫は野良猫が産んだ子猫が、
ほとんどだという。

動物を飼う人の意識が変わらないと
 
2013年に施行された
改正動物愛護管理法では、
動物が命を終えるまで適切に
飼育する「終生飼養」が、
飼い主に義務付けられた。

これによって行政は、
安易な理由による引き取りをしていない。

やむなく引き取った動物は、
引き取り希望者に譲渡。

同所公式サイトでも譲渡対象の動物を、
写真付きで公開して、
譲渡をすすめている。

 一定期間預かっても
、所有者が見つからなかった犬や猫は、
殺処分となる。

今回特別に撮影許可された場所にあった
札には「満了」の文字。

運命が決まった犬が集められていた。

 殺処分は同所で、二酸化炭素ガスを
使って行われる。

職員は「飼い主が最後まで動物の
面倒を見て、このような施設が
いらなくなることが、
動物も人間も幸せでしょう」と語った。

 猫の引き取り件数が多い中、
地域住民が野良猫に不妊去勢手術などを
行い、トラブル解決や環境美化を図る
「地域猫活動」が県内で行われている。

 このうち活動が進んでいると注目を
集める大府市では、
市民ボランティア団体の
「おおぶ地域ねこの会」が活動中。

代表の植木祐子さん(54)は
「最終的には、動物を飼う人の
意識が変わらないと、野良猫は
減らない」と指摘した。

 同会は、野良猫にえさを与えている人に
対して、地域猫活動への協力を
求めている。

協力するという人は、
自分の家の庭などに、
猫のトイレ設置などをする。

 猫は同活動をサポートする
獣医師によって不妊去勢手術をする。

その費用には、同市が設けた
補助金制度が使える。

市内全区長の協力も取り付けており、
ある自治区では、
活動実施後に野良猫が7割減ったという。

官民がうまく連携している。

 植木代表は「野良猫は不妊去勢して、
不幸な命を生み出さないようにすれば、
減っていくが、猫を飼っている人も、
飼い猫が外で妊娠して野良猫を
増やさないように、室内飼いの徹底など、
しっかり管理して欲しい」と話した。

愛護団体から譲り受けた犬が看板犬に


飼い主を待つ動物や、
飼いたいという人の情報交換の場にしたい」
と意気込む成瀬さんとシュシュ
(名古屋市千種区の
カフェアンドバー299で)

 
動物愛護団体から譲り受けた犬が、
店の看板犬になったケースもある。

名古屋市千種区の
カフェアンドバー299には、
シーズー犬のシュシュ(雌)が、
しっぽを振りながら客を迎え入れる。

 同店の成瀬みなみ店長(25)は、
岩手県で大学生活を送っていた2011年、
東日本大震災で被災した。

その時、避難所に置いた車の中で、
友人から譲り受けた猫とのふれあいから、
人を笑顔にするなどの
動物が持つ力を実感。

動物や飼い主が交流できる場所を
作ろうと、同店をオープンさせた。


 店内には、来店したペットの写真が
100枚以上並ぶ。

その横には、動物殺処分ゼロを
訴えるポスターもある。

成瀬店長は「シュシュのように、
新しい飼い主のもとで元気に生きる
動物が増えるように、飼い主を待つ動物や、
飼いたいという人の情報などが集まって、
情報交換できるようなお店にしたい」
と意気込んだ。
(斉藤理/MOTIVA)