日本でも「アリゾナの奇跡」は可能?

阻む “カベ”
犬の飼育率は年々、減少傾向にあります。
高齢化問題、経済問題もあり、
いずれ今のような子犬ビジネスは
立ち行かなくなるでしょう。
でもその時を待つ間に、
どれだけ多くの犬が不条理に命を落とし、
不条理に生み出され、
いつ現れるとも分らない
里親を待ち続けることになるのか。
「日本には家族を必要とする
保護犬がたくさんいるのに、
わざわざ他から連れて来る
必要はない」のは明らかです。
日本でも「ペットショップでは
保護犬のみ販売する」
法律の制定は可能でしょうか?
論理的には可能であるはずです。
ただし、前項で述べたように、
日本の子犬販売については、
多くの問題が絡んでいます。
ペット販売に関して抜本的な
大ナタがふるわれない背景には、
一般の私たちの理解が及ばない
利権や既得権益が存在するとも
耳にします。
私たちができること
一方、「ペット動物との幸せな共生を
はかる」ことを目的とする団体が、
海外視察や研究を重ね、
都道府県・市に対して意見書を
提出したり署名を集めるといった
地道な努力を続けています。
私たち、犬を愛する一般の飼育者
としてできることは、まず、
犬の販売の現状を知ること
保護犬が生じる背景を知ること
さらなる法改正、条例の制定に向けて
働きかけている団体の活動を知ること、
協力すること
子犬をパピーミルやオークションを
経て仕入れている、
または利益オンリーの自家繁殖を
行うショップから購入しないこと
保護犬を積極的に迎え入れること
保護犬を迎えた経験を語り広め、
声を上げていくこと
ではないでしょうか?
まだまだできることは
ありそうですが、これについて多くの
意見が出現することを期待したいと
思います。
最後に

紅葉の散歩
個人的なお話を。
子どもの頃から飼ってきた犬達は、
拾うかもらうか、でした。
現在の愛犬は、家族がたまたま
立ち寄ったペットショップの
売れ残り犬。
その末路が気になり、購入しました。
私はこの犬をきっかけとして、
今の犬達に起きていることに
目を向けるようになり、保護活動の
はじっこでお手伝いもし、
2匹目に保護犬を迎えました。
キレイごとばかりは言えません。
理由はどうあれ、我が家の犬も
ペットショップから購入したのです
。唯一無二の存在となった以上、
「この犬を買わなければ良かったのに」
とは決して思いません。
ただ、こうして様々なことを知った
今では、二度とショップで犬を
購入することはありません。
「知る」ということは、ある意味、
何にもまさる武器になる、
とはいえないでしょうか?
ひとりの「知る」が多くの人の
「知る」につながるとは
いえないでしょうか?
犬の大先輩のひとことが
常に頭の中にあります。
「強硬に声を上げれば上げるほど、
抵抗は強まる」。
強く非難すれば、
反感が生まれ抵抗が強まり、
時にはこっそり抜け道まで
作られます。
声を上げることは必要ですし、
人や立場によって大きな声を
上げることも必要です。
その一方では
「物事は搦め手(からめて)から攻める」
という言葉もあります。
意味は「城の裏門から攻める」
ということ。
犬を大好きな一般の我々が、
淡々と静かに、けれど信念を持って
声を広めていくこと、
それこそが大きな力になるのでは
ないかと思いながら、
この拙い記事を書きました。