この映像は、2011年9月に38頭の
動物実験用のサルたちが
その役目を終えて開放される
瞬間を捉えた映像です。
英「デイリー・メール」紙によれば、
彼らは30年前にアフリカの
ジャングルから実験のために
連れて来られました。
彼らを購入した企業の目的は、
HIVウイルスのワクチンを
開発すること。
檻の中で生まれたサルも含め、
これまで一度も空を見たことが
ありませんでしたが、
実験を行っていた企業が
プロジェクトの終了を決めたことで
自由の身に。
仲間とともにおそるおそる
扉の外へ出ていく様子や空を
仰ぐ表情には、胸が締め付け
られます。
HIVウイルスを注射されたサルは、
言わずもがな陽性に。
ですが、末期まで症状が進行した
チンパンジーは存在しなかった
そうです。
実験は失敗でした。
実験を行った企業は50~60歳までは
生きられるであろうサルたちの
余生を安全で快適なものにす
ることを保証。
サルたちをサファリパーク内にある
屋内のシェルターへと
移動させていました。
しかし、2004年にはその場所も
債務返済を理由に閉鎖。
彼らは再度ケージの中で数年を
過ごすことになりました。
この度、彼らが開放されたのは
オーストリア・ウィーン郊外にある
閉鎖されたサファリパーク。
環境保護団体や動物愛護団体に
所属している活動家、
Michael Aufhauser氏が
用意した建物です。
これまで鉄格子で区切られていた
彼らが、お互いに身を寄せあい、
初めて触れる土や風を感じている
姿に思わず胸が締め付けられます。
Michael Aufhause氏は彼らについて
こうコメントしています。
「彼らに残された生活の中、
これでいくらかは尊厳や楽しみを
感じることができるだろう」