夏の海に押し寄せるサメ 血の臭いに敏感、油断は禁物 | トピックス

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2015年8月15日05時04分朝日新聞DEGITALより

海水浴シーズン真っ盛り。
ところがサメの目撃情報で遊泳禁止になる
海水浴場が相次いでいる。

海の中で何が起きているのか。

 「烏帽子(えぼし)岩付近にサメがいる」。

14日正午ごろ、神奈川県茅ケ崎市沖で
水上バイクに乗っていた男性から
110番通報があった。

県警が沖合約1・2キロで
ヘリコプターからシュモクザメと
みられる7匹と、周辺で30匹以上の
群れを確認。

海水浴客らに注意を呼びかけた。

 茅ケ崎市など周辺6市町はすぐに
計9カ所の海水浴場を遊泳禁止にした。

烏帽子岩から約10キロ離れた鎌倉市の
材木座海水浴場もその一つ。

海の家を経営する男性は
「現場はかなり遠いのに、
いちいち遊泳禁止にしたら日本中
どこも泳げなくなる」。

遊泳注意にした藤沢市の
片瀬東浜海水浴場では、
海の家でつくる営業組合の
臼田征弘組合長が
「サメの騒ぎで遊泳注意を決めたのは
初めて」と話した。

 サメの目撃情報は、
今月に入ってから増えている。

 茨城県では5日、鉾田市沖で
4メートル級のサメを県が確認。

7日には16匹出現し、沿岸自治体は
遊泳エリアにサメを防ぐ網を張るなどの
対策をとった。

静岡県でも9日、焼津市の
沖合1・5~2キロでシュモクザメ2匹が
見つかった。

12日には千葉県一宮町の沿岸で、
サーファーがサメを見つけた。

 日本近海にいるサメは百数十種類。

このうち、積極的に人を襲う攻撃的な
サメは、映画「ジョーズ」で知られる
ホオジロザメ、イタチザメ、
オオメジロザメの3種類だが、
数は非常に少ないとされる。

 目撃の多いシュモクザメは、
頭部がハンマーのようなT字形。

ホオジロザメと比べると性質は荒くないが、
大きいものは体長4、5メートルになる。

葛西臨海水族園(東京)の杉野隆・
飼育展示係長は
「どのサメも血の臭いに敏感で、
人を襲う可能性はある。
油断はできない」と
注意を呼びかける。

 なぜ、サメの出没が頻発しているのか。

沖縄美(ちゅ)ら島財団総合研究センター
の佐藤圭一・研究第一課長は
「夏場は日本各地で見られて当然」と言う。

この夏、目撃されたシュモクザメや
メジロザメはふだん南方にいるが、
海水温が上がる夏は餌の魚を追いかけて
北上する。

「例年もサメはいたが、
今年はニュースで注目が
高まったのではないか」

 万が一、サメに遭遇した場合の
対策について、佐藤課長は
「こちらから攻撃をしかけてはいけない。
サメを興奮させないように、冷静に距離を
とることが大事」と言う。

口を開けて迫ってきたら
急所がある頭の先をたたく方法があるが、
「あくまで最終手段」と念を押す。

(菅尾保、岡田昇)