熱中症対策などで、犬や猫などのペットに
使われている事が多い保冷剤ですが、
実は意外にも危険が潜んでいることを
知っていますか。
保冷材の中身にはエチレングリコールという
中毒を起こす危険な原料が使われている
事があり、食べてしまうと、ふらつきや嘔吐、
最終的には急性腎不全を引き起こしてしまう
場合があります。
今回はそんな保冷剤について、
お話したいと思います。
1.エチレングリコール
エチレングリコールは2価アルコールの
仲間で、水に溶けやすいため、
自動車の不凍液などによく使われている
原料です。
また温度が0度では固まらない性質のため、
保冷材の原料としても使われています。
甘い味がするため、
ペットが舐めてしまう場合があります。

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2.ペットが誤食した場合の症状
エチレングリコールを誤食した場合、
肝臓で代謝され、グリコアルデヒドや
グリコール酸エステル、
シュウ酸エステルなどが産生されます。
初期の中毒症状は、
・嘔吐
・神経症状(ふらつき、立てないなど)
・精神低下症状(いつもより
元気がないなど)
・多飲多尿
・少し時間が経つと貧脈、呼吸速迫
などが起こります。
最終的には、シュウ酸カルシウムによって
腎臓がダメージを受けてしまい、
急性腎不全を起こし、高い確率で死に
至る可能性があります。
これらの症状は、誤食から3日以内で
起こると言われているので、
早期の処置が重要となります。

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3.保冷剤の成分表記を確認する
犬や猫などのペット用に保冷剤を
購入する場合は、成分に
ポリエチレングリコールが
使用されていないか、あらかじめ
確認してから購入を検討しましょう。
保冷材の場合、外袋に表記されている
場合もあるので、外袋を捨る前に
確認することをおすすめします。
4.使用後の保冷剤はすぐに
冷蔵・冷凍庫へ
保冷剤は使い終わったら冷蔵・
冷凍庫へ入れる習慣を身に
つけましょう。
机や床に置いたまま状態にしておくと、
犬や猫などのペットがおもちゃにして
しまう可能性があります。
スーパーやケーキ屋さんなどで
もらった小さな保冷材は、
冷蔵庫や冷凍庫に貯めがちですが、
不要であるならば早めに処分して
しまいましょう。
5.誤食したらすぐに動物病院へ
ペットが万が一、保冷材の中身を
食べてしまったら、動物病院へ
すぐ連絡をしましょう。
診察の際、食べてしまった時間や量、
誤食した保冷剤の成分メモに
残して持っていくと診察も
スムーズです。
動物病院によっては、食べてしまった
保冷剤を持ってくるように
指示がある場合がありますので、
保冷剤は診察が終わるまで捨てずに
保管しておきましょう。
早く処置を開始した方が、軽度の症状で
済む場合もありますので
「1日様子を見てから連絡を入れよう」と
自己判断は禁物です。
さいごに
最近では、無害の成分を使用した
保冷剤のほうが多くなっていますが、
成分表記がないような保冷剤には
特に注意が必要。
ペットを思わぬ危険に合わせないよう、
これからの夏の季節は注意して
いきたいですね。