収縮リードの使いかたと危険性 | トピックス

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2015年05月17日 20時45分ガジェット通信より


収縮リード=伸び縮みする巻取りタイプの

リード(正しくはフレキシブルリード・

リトラクタブルリード)
この収縮リードを使っている方も多くいると

思います。


実はこの収縮リードで散歩を行い、危険な

事故にあったという報告も多くあります。


収縮リードが原因ともなる事故によって

犬が大怪我を負ったり、時には死んで

しまったりもしています。


また、ヒトも収縮リードでは犬の

コントロールが効かないせいで、

急な場面で紐の部分を掴んで火傷を

負ったり、指を切ったりなどの怪我を

することがあります。


 海外で人気のテレビチャンネルである

ルアニマルプラネットでも有名で、

野生動物の保護活動をしている

獣医師Karen Beckerさんは、

自身のホームページでこの収縮リードの

危険性について訴えています。(英文)

http://healthypets.mercola.com/sites/healthypets/archive/2014/06/11/retractable-dog-leash.aspx ?

x_cid=20140929_ranart_retractableleash_facebookpets

 では、この収縮リードをどのように

使うのがベターなのでしょうか。

今日は収縮リードの使いかたを

ご紹介します。


●街中での散歩には使わない
基本的には散歩中の歩行時には

収縮リードを使いません。

通常の歩行時なら、長さは1m~2m程度の

短いリードで充分です。

街中の散歩では、多くの人もいます。

車の往来もあるでしょう。

また、愛犬が嫌いな犬にも出くわすかも

しれません。

散歩での歩行時は犬を飼主の左側に

つけて歩くようにします。

これを訓練用語では脚側行進・脚側歩行と

呼びます。

愛犬は常に飼主の左側をキープして

歩けるようにトレーニングをしましょう。

そうすれば、突然の車の往来や、

嫌いな犬に遭遇して愛犬が興奮しても

コントロールが楽になります。

歩行時は常に飼主の左側について

歩くほうが安全です。

必ず起こる不測の事態にも、しっかりと

対応できるように脚側歩行をトレーニング

することをお勧めします。

しっかりと脚側歩行ができる犬は、

多くの場合でリラックスして歩けるので、

不測の事態が起こっても急に犬がパニックに

なることへの予防策にもなります。

このため、歩行時には収縮リードは

必要ありません。


●結局、壊れてしまう
ものは必ず壊れますよね。

収縮リードも同じく壊れます。

私はドイツ製の収縮リードを持っていますが、

今までに数回、故障して縮まなくなったり、

紐が切れたりしました。

もうこうなると、全く役に立たないばかりか、

紐が切れてしまっては、リードとして

役目を果たせません。


●収縮リードはこう使う
散歩の道中に公園などの広くて安全な

場所に着いたら、収縮リードに替えて、

愛犬とキャッチボールをしたり、

追いかけっこをします。

これは運動にも大きく貢献します。

この時、犬は沢山走るので収縮リードの

出番となります。

紐のロック機能をOFFにしておけば、

犬が走ると延びて、犬が戻ってくれば

縮みます。

また、もし何か危険が迫っていれば、

直ぐにロック機能をONにして犬の動きを

止める事ができます。

そして「オイデ」のコマンドで呼び戻せば

危機回避にもとても便利に使えます。

また公園などから出て歩き出す時には

普通の短いリードに付け替えて歩き出します。

こうしてリードを使い分けることで犬は

収縮リードが遊びの合図になり、

短いリードは歩行の合図にもなり、

メリハリを持たせる事もできます。


●収縮リードの危険性
収縮リードの危険性はDr,Beckerの

指摘の通り、いざという時の事故に

大きく関係します。収縮リードの

危険性について、詳しくは私の過去の

ブログでも紹介しています。


http://ameblo.jp/healthydogownership/entry-11933309603.html

●訓練をした犬に使うべき道具
収縮リードでは、いざという時に危機回避が

困難になります。

なので日頃から適切なトレーニングを行って、

危機回避をリードに頼るのではなく、

コマンド(命令・指示)で回避できるように

したいものです。


 飼主にも犬にも適切な訓練がされて

いれば、危機回避をリードに頼る必要は

なくなります。

そしてこの、収縮リードの機能を

活用すれば、ドッグランでなくとも

愛犬の運動や遊びの時などに、

とても有効に使うことができるでしょう。

画像は著者撮影のもの。

執筆者: MASSAORI TANAKA