日本の猫カフェ、世界に伝播中? 捨て猫保護し、カフェで里親探し | トピックス

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身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2015年3月29日NewSphereより


動物達と触れ合いながら、癒しの時間を

過ごせる日本のアニマル・カフェが、欧米

で話題だ。猫カフェに刺激されたイギリス

版キャット・カフェも続々オープン。動物達

の偉大なペットパワーを、英米紙が報じて

いる。


◆東京はアニマル・カフェの宝庫
 ロサンゼルス・タイムズ紙は、東京の

オフィス街や商業地で営業するアニマル

・カフェを取材。動物と過ごすひとときが、

都会人に癒しを与えていると報じている。


 同紙記者が取材した猫カフェは、渋谷

のビルの中にあり、1時間コースが飲み物

付で約1500円。猫グッズで装飾された

室内は清掃が徹底され、空気清浄器で

臭いも抑えられている。利用者は手を洗い

スリッパに履き替えた後、室内で動き回る

15匹の猫たちとただただ戯れるのだと言う。


 猫カフェ以外にも、記者は小鳥やうさぎ

などの小動物から、フクロウ、ヤギ、爬虫

までさまざまな動物と触れ合えるカフェを

訪問。それぞれが、「コンクリート・ジャングル」

東京に、「母なる自然」の注入を目指している

と述べている。


◆イギリスでも猫カフェ・ブーム
 英インディペンデント紙によれば、世界的な

アニマル・カフェ人気は、1998年にオープン

した台北の猫カフェから始まり、訪れた

観光客が、そのコンセプトを日本に持ち帰った

ということだ。日本初の猫カフェは2005年に

大阪で開店し、現在東京だけでも40件存在

するという。


 動物好きが多いイギリスでも、猫カフェの

開業が相次いでいる。オーストラリア人の

ローレン・ペアーズさんは、クラウドファン

ディングで10万8000ポンド(約1900万円)を

調達し、昨年ロンドンにキャット・カフェを

オープン。1ヶ月以上前から予約でいっぱい

という盛況ぶりだ(インディペンダント紙)。


 ニューカッスルのケイティ・ジェーン・

グレイジアーさんは、捨て猫を保護し

快適な環境を与え、それをビジネスに

繋げるという日本の

猫カフェのドキュメンタリー番組を見て、

東京を訪問。「都市の厳しい環境の

中で、このビジネスを始めた人たちの

やる気に動かされ」、自らも捨て猫たち

を引き取って、5月にキャット・カフェを

オープンする。他の都市でも、捨て猫

を集めたカフェが計画されており、

客が猫の里親となってくれることを

期待しているという

(インディペンデント紙)。


◆動物は人を健康で幸福に
 動物の癒し効果に注目したロンドンの

ブルネル大学は、毎週金曜日にうさぎと

遊ぶ場を設け、学生の悩みやストレスの

解消に役立てている。日本の猫カフェ

からヒントを得たという考案者のサリー・

ヒッチナーさんは、「うさぎは身なりや

成績で人を判断することはない」とし、

ラビット・カフェで「皆が価値を認められ

受け入れられる雰囲気を広めて行き

たい」と話す(インディペンデント紙)。


 イギリスでは、動物の癒し効果を

学生の成績アップや、心のケアに活用

する大学もあるという。2011年のマイアミ

大学の研究では、ペットオーナーは

そうでない人と比べて、より健康で

幸福感が強いという研究結果も出ており、

ペットを持てない人にとっては、アニマル・

カフェはパーフェクトな選択肢だ、と

インディペンデント紙は述べている。


◆癒す側にも配慮を
 アニマル・カフェ・ブームには、問題点

ある。


前述のペアーズさんは、数匹の

猫を死に至らせ閉鎖に追い込まれた、

シンガポールのある猫カフェを例に挙げ、

ブームの今、オーナーに強い責任感が

求められることを強調する。また、

キッチンに動物を入れない、予防注射、

去勢をするなど、客が気持ち良く過ご

せるよう配慮することも必要だと指摘

する(インディペンデント紙)。


 動物との触れ合いを売りにする、

他のビジネスにも配慮が求められて

いる。AFPは、日本の犬のレンタル・

サービスについて報道。見知らぬ

多数の人に扱われることで、犬が

肉体的、精神的に被害を受けるとして、

動物愛護団体から問題視されている

と伝えている。


ロサンゼルスでは、10月2日に4日間

限定だが、初の猫カフェがオープンした。

25日にはカリフォルニア州の

オークランドでアメリカ初の本格的な

猫カフェがオープンする予定だ。


そしてニューヨーク初の猫カフェは

来春のオープンを目指している。


それらのどれもが、猫と触れ合う場

としてだけでなく、猫の里親探しの場

としての役割も担っているということだ。


◆発祥の地は台湾、人気は日本で
 ニューヨーク初の猫カフェを伝える

地元の無料紙amニューヨークによれば、

最初の猫カフェは1988年に台湾で

始まったという。その後、アパート

住まいでペットを飼えない人が多い

日本で人気が高まった。ヨーロッパでも

すでにいくつかオープンしているとのことだ。


◆自宅で猫を飼えない人の癒しの場に
 アメリカでも、アパートがペット不可

だったりルームメイトが動物アレルギー

だったりで、自宅で猫を飼えない

人たちが、猫への愛を満たしに猫カフェ

に訪れている。


 10月2日から4日間限定で開かれた、

ロサンゼルス初の猫カフェ「キャットフェ」

の様子を伝えるロサンゼルス・タイムズ

は、来訪者の声を次のように伝えている。


 「自分みたいに、ペットを家で飼えない

人にとっては……猫カフェは、完璧な

解決策だよ。それか、引っ越しだね」

 また、ルームメイトの事情で猫が

飼えない女性は、「キャットフェ」は、

「猫から隔離されている」状態となんとか

うまくやっていくために良い機会だと言う。


◆里親探しの場所としても役割も
 上記のロサンゼルス初の「キャットフェ」

、期間限定ではなく本格的な経常営業

ではアメリカ初の「キャット・タウン・カフェ」

、そして来春にオープンを目指す

ニューヨーク初の経常営業の

「リトル・ライオン」、すべて、猫好きが猫と

触れ合える場所としてだけでなく、

動物愛護団体や保護施設と協力したり、

里親を探すための施設を併設させたりして、

猫たちの里親を探す場所としての

役割も果たす。


 本格的な営業を目指す「キャットフェ」の

共同設立者の1人、カルロス・ウォン氏は、

できるだけ多くの猫に愛すべき家を

見つけたいとし、「猫とコーヒーというだけ

じゃない。動物への意識を全体に広げる

ということなんだ」とロサンゼルス・

タイムズに語っている。


 ニューヨークに「リトル・ライオン」を

オープンさせようと奮闘しているエリン・マ

クシェインも「ニューヨークにいる、家庭を

必要としている数多くの猫に対しての

人々の意識を高め、そのうちの数匹でも

引き取ってもらえるようにしたい」と、

アイルランド系移民の情報サイト、

アイリッシュ・セントラルに述べた。


 また、「キャットフェ」は営業が本

格的になれば、ロサンゼルスの

介護施設で高齢者のための無料の

アニマル・セラピーのイベントを

開きたいとも考えている。


◆資金調達はクラウドファンディングで
 これら、3つの猫カフェ。資金調達は、

最近広がりを見せているクラウド

ファンディングで行われている。


 期間限定でオープンして認知度を

広めながら、本格的なオープンを

目指したり、クラウドファンディングで

広く一般の人たちから資金を調達する

ことで、新しい事業を着実なものに

しようとしている。


 また、一般から集めた資金で、猫の

里親を探したり、アニマル・セラピーを

提供したりするなど、社会にも貢献する

活動を目指している。社会と交わり、

社会に還元する、新しいビジネス・

モデルによってアメリカの猫カフェは

うまれている。