ペットショップで買った犬に「先天性疾患」 1年以内なら「損害賠償」を請求できる? | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2015年02月09日

弁護士ドットコムニュース  より


ペットショップで犬を購入したら、あとで先天性の

疾患があることが分かった。そんなとき、店に対して

治療費などを請求できるのか——。


弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、悩める

飼い主から質問が寄せられた。


相談者は、1年数ヵ月前にペットショップで犬を

購入したが、しばらくたって、犬に先天性の疾患が

あることがわかったという。


しかし、契約書には「先天性等の病気があることが

わかった場合には『交換』での対応しかしない」と

記載されていたそうだ。


相談者は「交換」ではなく、損害賠償を求めて店を

提訴したいという。ただ、犬の購入から1年以上が

経過しているため、訴えるには不利なのでは

ないかと心配している。


ペットショップで購入した動物に、先天性の疾患が

あるとわかった場合、店に対して損害賠償を請求

できるのだろうか。


購入から時間が経っている場合でも可能なのか。

ペットに関する法律にくわしい鈴木智洋弁護士

聞いた。


●売り主には「瑕疵担保責任」がある


「犬のような動物は、民法上は『物』として

扱われます。ペットショップで犬を購入する行為は、

法律上は『物の売買契約』ということになります」


鈴木弁護士はこう切り出した。


「売買契約について、民法では、売り主に『瑕疵

担保責任』を定めています。


瑕疵とはキズや欠陥のことです。購入した物に、

パッと見ただけでは分からない瑕疵があった場合、

買った人は、売り主に対して損害賠償請求などが

できます。


瑕疵担保責任が追及できる期間は、瑕疵の存在を

知ったときから『1年以内』です。本件では、

犬を購入してから1年数ヵ月たっているようですが、

先天性疾患があると気付いてから1年以内であれば、

問題ありません」


●「交換での対応しかしない」

契約も可能


となると、犬を買った人は店に損害賠償を請求

できるのか。


「そう思いたいところですが、本件の場合、

売買契約書に『先天性等の病気があることが

わかった場合には、交換での対応しかしない』と

書かれていた点が問題です。



瑕疵担保責任については、当事者間で民法の

定めと異なる合意をすることができます。


つまり、『損害賠償ではなく、交換での対応しか

しない』という契約も可能ということです。



相談者と店との間では『交換での対応しか

しない』という合意がなされているので、売主は、

疾患がない犬と交換することでしか瑕疵担保

責任を負わないことになります。


したがって、本件の場合、店に対して損害賠償を

請求することはできません」


お金を請求できないことに、納得しない人も

いそうだが・・・



「気持ちは分かりますが、法律上は仕方

ありません。

このような事態を防ぐためにも、購入の際

には、契約書の内容をよく確認することを

お勧めします」



鈴木弁護士はこのように述べていた。