nikkansports.comさんより

チャリティーではこんな風にペットとサンタが写真撮影してもらえて10ドルを寄付
日
本ではペットの数は今や子どもの数に匹敵するなどと言われているようですが、ロサンゼルスでもたくさんの人がペットを飼っています。しかし、日本と少しだ
け違うのは、LA市内のペットショップでは、カワイイ子犬や子猫たちがショーケースに並んでいるような光景は見ることができません。市内のペットショップ
やその他の小売店、商業施設などにおいて、営利目的で繁殖された犬や猫の販売は条例で禁止されており、新たにペットを飼いたい人はできるだけアダプト(里
親になる)することを法律でうたっているからです。その理由はもちろん、殺処分となるペットを減らすためです。
日
本では犬の大量投棄が問題になっていますが、ここロサンゼルスでもクリスマスの季節になるとペットの投棄が問題に上ります。クリスマスプレゼントとしても
らったペットを、様々な理由で飼えなくなって投棄する人が増える季節だからです。それらの犬や猫を少しでも救おうと、また親のいない動物に暖かい部屋でク
リスマスを迎えてもらおうと、この時期になるとシェルター(日本で言うところの保健所のような施設)やボランティア団体が、様々なキャンペーンを行ってい
ます。
「ク
リスマスプレゼントにこの子たちを家に連れて帰ってあげて」「ホームレスの犬や猫にクリスマスプレゼントを!」などの広告や看板などを目にする機会が増え
てきます。また、たくさんの人がシェルターにご飯や玩具、暖かい毛布やタオルなどを寄付する姿も見かけますし、提携するペットショップ内でサンタクロース
とペットの写真を撮って、その売り上げを寄付するチャリティーなども行われています。
日本ではペットを飼おうとする人はまずペットショップに行くのが普通だと思いますが、ロサンゼルスでは認可を受けた個人のブリーダーから直接飼うか、知人などから譲り受けるか、シェルターから引き取るかの3つの選択となります。
日
本では生まれたばかりの赤ちゃんから飼いたい人が多いようですが、ここアメリカでは実に多くの人がシェルターから大人になったペットを引き取って大切に育
てています。シェルターで殺処分される前にペットを保護するNPO団体も多数あり、彼らは独自に譲渡会などを行い、殺される命を救い続けています。ペット
ショップでの販売は禁止されていますが、譲渡会を開くことはOKなので、店頭でケージに入った犬や猫たちを展示し、里親探しをしている光景もよく見かけま
す。
子
犬として飼った犬が大きくなると「大きくなりすぎた」「言うことを聞かない」「お金がかかる」などの理由からシェルターに連れて行く人が少なくなく、また
ペットショップで売れ残ったペットや繁殖用として飼われる母親の殺処分を減らすためには、必要不可欠な法律であると思います。それでも捨てられるペットは
たくさんいますが、一方で道端に捨てられている犬や猫を保護して適切な治療を受けさせて新しい家族を探す活動をしている人たちも大勢います。
広告を目にするたび、「生きられるはずの小さな命を人間のエゴで奪ってはいけない。小さな命を守る責任をどうか忘れないで欲しい」と願うばかりです。(ロサンゼルスから千歳香奈子、写真も)
- シェルターのペットにあたたかいクリスマスをプレゼントしようと言うポスター
- ロサンゼルス市内にあるシェルター