「アイドル」とは、Wikipediaによると「英語の「idol」(偶像。崇拝される人や物から転じて、現在では「恋愛感情を持つ熱狂的なファンが売上のメイン層を占めている歌手、俳優、タレント」などをいう」とある。
私が通所する障害者就労継続支援B型事業所には千歳のアイドルにぞっこんな男性利用者(障害者就労継続支援事業所に通所する障害者は利用者と呼ばれる)がいる。
千歳のアイドルは飲み屋などで頻繁にライブをし、そのたびに彼はそこに出向いて一緒に歌いまくり踊りまくるらしい。
飲み屋からはアイドルは一銭ももらわない。
ライブが終わるとチェキ(写真)を一緒に撮ってくれ、それが1回千円だという。
それだけでは彼女は生活していけないだろうから、たぶんバイトか何かをしているのだと思う。
地元アイドルに夢中な彼は40歳になったばかりで、自分だけでなく、他の利用者を誘ってそのライブ会場に行くことも多い。
千歳という小さな町にとどまっているアイドルだから、そんなに可愛い女性とは思えない(そのアイドルちゃん、ごめんなさい)。
なのに彼はそのアイドルにぞっこんなのだ。
異性への好みは千差万別だから、そのアイドルにもファンは付くだろう。
また、地元のアイドルとファンとの関係はすごく親密であることが多いだろう。
そういう点で彼も地元のアイドルに夢中なのかもしれない。
このあいだのライブにはフィターズガールも来てきつねダンスを披露したという。
フィターズガールも地元アイドルといえば言えるかもしれない。
地元アイドルは全国各地にいるらしい。
その中から中央にメジャーデビューするケースも皆無ではないだろう。
そういう観点からも、地元アイドルというのは魅力的なのかもしれない。
しかし、私(66歳)からすると、どうも理解しにくい。
もし私が若くても、地元アイドルに熱を上げたりはしないだろう。
それよりも好きな子を作って恋人にすべく努力する。
今はそういう若者は少ないのだろうか。
それともかく、地元アイドルに夢中なこの男性は、『《2023年11月27日》ーものすごい虚言癖』で紹介した障害者だ。
あのときはずいぶんひどいことを書いた。
虚言癖は相変わらずで。「俺には彼女がいる」とウソを付きつづけている。
「彼女の写真見せてよ」と言っても見せてくれない。
「入院してるから」と理由にならない理由で写真を見せない。
ときどき、「きょうはデートだ」なんて言うが、入院している彼女とどうやってデートするのか。
彼女がいるというのはやはりウソなのだと思う。
そのほかにも、特別支援学校でどんなに優秀な成績を取っていたとか、障害者のいろいろな大会(パークゴルフや将棋など)で優勝したとか、ウソっぽい話をたくさんする。
「歌屋」「キャッツアイ」「スリラーカラオケ」などを経営するタカハシグループの社長を知っていると言い、「カラオケ行くなら俺が高橋に電話してやるから安くなるよ」などとも言う。
これも本当かどうか怪しい。
しかし、かなりつらい思いをして生きてきた人なんだとこのごろ知るようになった。
例えば、彼はグループホームに入っているが、親と会うことは皆無に近いらしい。
ひどい斜視のその面貌と障害者であることから、小さいときから両親に疎まれてきたらしいのだ。
だけど彼は明るい。
そこは偉い。
地元アイドルに夢中になっていたりウソを付きまくるのは、いろいろな悩みを抱えているせいかもしれない。
逃れようのない運命から一瞬でも解放されるのが地元アイドルとの交流やウソを付くことなのかもしれない。
とにかく、彼に対する私の気持ちがこのごろ大きく変わってきた。
『《2023年11月27日》ーものすごい虚言癖』で差別的なことを書いたことを悔いている。
【ダイエット記録】0.1キロ増えた。あと-4.2キロだ。