千歳の障害者就労継続支援B型事業所でレザークラフトをしている。
身体障害のSさんと知的障害の女性利用者(障害者就労継続支援事業所に通所する障害者は利用者と呼ばれる)と私の3人でやっている。
女性利用者は手先が不器用で話にならない。
しかしSさんは手先が器用で、だから私がレザークラフトを始めたときSさんを誘ったのだ。
Sさんはレザークラフトを始めて間もないから、今のところはそんなにうまくない。
でも、何か作るごとに上手になってきている。
これまでの失敗から私が得た教訓をSさんにすべて丁寧に伝えてきたから、Sさんの技術は少しずつ上達してきた。
しかし、最近はSさんが独自の工夫をするようになり、その結果、革の切り口(コバ)がボサボサガタガタになってきた。
昨年暮れ、社長から「そろそろ売れるものを作ってほしい」と催促された。
私ももう練習段階は終わったと思っていたので承知した。
それで、Sさんに少し厳しくアドバイスして、自分も気を引き締めて、商品として売りに出せるものをついに完成させた。
社長が乗っていたトヨタ・ランドクルーザーの他、新型プリウス、クラウン、ハリアー、ヤリス GR、ヤリスクロス 、アクア、ハイラックス、ミライのトヨタ車専用スマートキーのスマートキーのレザー(本牛革)カバーだ。
ただし、買ってもらった糸がポリエステル製の非常に硬いものだったので。革にまっすぐ穴を開けてもまっすぐ縫えない。
それで縫い目が粗くなってしまったところが少しある。
〈トヨタ車専用のスマートキーのレザーカバー/左が表・右が裏〉
Sさんが作るものは私のよりも縫い目もかなり汚いし、革のコバがガタガタしていて、商品としては出しにくいなと思っている。
糸を縫うにはまず革に穴を開けるのだが、その穴を開けるときに定規を当ててまっすぐになるように開ける必要がある。
しかし、Sさんはそれをしない。
だから縫い目がきれいにならない。
それと、最初に型に沿って革を切るとき、Sさんは多少失敗しても後で修正すればいいと考えて切るので、断面がガタガタになったりボサボサになったりする。
それを紙やすりで磨いても、きれいには仕上がらない。
私は最初の革切りの段階できれいに仕上がるようにイメージして切るようにしている。
そうすれば紙やすりでそれほど磨かなくてもコバはきれいに仕上がるからだ。
Sさんにもそう指導したが、彼の悪癖はなかなか直らない。
Sさんの作品は出品できないか、よほど低価格で出すしかないと思っている。
私のものも縫い目が少し粗く、やはり低価格にせざるを得ないなと思っている。
本牛革を使った商品は、使った糸がポリエステル製で硬く、そのため縫い跡がきれいに仕上げられなかったのだ。
そこに新しい革が届いた。
新しい糸とともに注文していたのだ。
新しい革(エルスムース)は加工がしやすく、また使う糸がコットン製のため縫いやすく、きれいな仕上がりになった。
新しい革の商品はだから当初の目論見通り3,980円にしたが、古い革を使った商品は、考えた末、2,980円にした。
しかし、社長がランクルを売ってしまったためランクルのスマートキーもなくなっていた。
「どこからかランクルのスマートキーを借りてきてください。ネットに出品するにはスマートキーの写真も撮る必要がありますから」と社長に頼んだところ、早速借りてきてくれた。
それで、スマートキーとそれを収めた商品と作業風景などをいくつもの方向から写真におさめ、その写真を大きく使った説明書も作った。
ネットに載せる商品説明の画像と商品を送付するとき添える説明書は、正月休みのときに私がコピーを考え、およそのレイアウトをIllustratorとPhotoshop(デザイナー専用のデザイン・画像加工用ソフト)で作成しておいた。
私のIllustratorとPhotoshopは古いバージョンのもので、以前勤めていた会社からCDを借りてインストールしたものだ。
しかし、その後、新しいパソコンを買ったらそのIllustratorとPhotoshopは新しいパソコンにコピーしても使えなかった。
新しいパソコンには対応していないバージョンのIllustratorとPhotoshopなのだ。
それじゃ新しいバージョンのIllustratorとPhotoshopを買おうかと思ったら、それはサブスクになっていて、使うには毎月7千円近くも払わなければならないことがわかって断念した。
そこで、古いパソコンを捨てずにまだ置いていて、年賀状などを作るときはそれを古いパソコンのIllustratorとPhotoshopで作り、画像に変換してUSBメモリに保存し、新しいパソコンの画像を開くソフトで開いて使うようになった。
今度もその方法でスマートキーのレザーカバーの商品説明の画像と説明書の画像の写真抜きのものを作っておいた。
写真撮影を終えて、仕事からアパートに帰ってパソコンでその写真を加工し、それをレイアウトの中に収め、ネットに載せる商品説明の画像と商品を送付するとき添える説明書を完成させた。
ネットに載せる商品説明の画像と商品を送付するとき添える説明書も2種類作った。
それらのデザインを画像に変換してUSBメモリにコピーし、翌日、それを事業所に持っていった。
そして、職員のパソコンから楽天ショップに出品してもらった。
ネットに出品するには完成品の写真を載せる。
その写真と少しでも違うものが送られてくれば、買ってくれた人はクレームを付けてくるか返品してくれるかもしれない。
今のところSさんと私の作る作品は私の作品とはかなり違う。
だから、出品するときは「一品一品手作りのため商品は写真とは一部異なる場合があります」という一文を入れた。
そして、ついに楽天ショップに出品したわけだ。
〈ネットに載せた商品1説明の画像/その1〉
〈ネットに載せた商品1説明の画像/その2〉
〈ネットに載せた商品1説明の画像/その3〉
〈ネットに載せた商品1説明の画像/その4〉
〈商品が売れたら送付する商品1説明書〉
〈ネットに載せた商品2説明の画像/その1〉
〈ネットに載せた商品2説明の画像/その2〉
〈ネットに載せた商品2説明の画像/その3〉
〈ネットに載せた商品2説明の画像/その4〉
〈商品が売れたら送付する商品2説明書〉
その商品説明や説明書にはいま通所している事業所の名前と住所と電話番号を入れたが、今月中か来月には私たちレザークラフト班だけが社長の経営する別会社に移される予定なので、そうなったら事業所の名前も住所も電話番号も変えなければならないかもしれない。
今の障害者就労継続支援B型事業所は通所者が16名くらいしかおらず、毎日通所する人は10名くらいなので、その給付金ではトントンかそれ以下の経営内容だと思う。
だから通所者を20名まで増やすつもりのようだ。
そうなると作業場の座る席が足りなくなるので、レザークラフト班ととあと数名が社長の別会社に移されることになったのだ。
Sさんはそのことを知らないので、先日、教えた。
驚いていたが、納得してくれた。
それはともかく、レザークラフト班はまずはこのスマートキーのレザーカバーで勝負していくつもり。
次に出す商品も決めてはいる。
レザーのキーケースだ。
〈初めてのレザークラフトで合成皮革を使ってSさんが作ったキーケース〉
それを作るための薄手の本革(ワニ革)もすでに注文して届いている。
今後は、スマートキーのレザーカバーは私が作り、Sさんにはそのキーケースを作ってもらおうかと考えている。
薄手のレザーならSさんでもうまく切れると思うからだ。
それはともかく、レザークラフト班はついに一定の段階にまで上がった。
これからはもっと上の段階までのぼるつもりである。
【ダイエット記録】0.1キロ減った。あと-2.3キロだ。