気管支喘息の治療は気管支拡張薬だけでは成り立たない。
現在における最良の方法は吸入ステロイド療法である。
吸入ステロイド薬とピークフローメーターを使う治療だ。
毎日朝と晩にピークフローメーターを吹いてピークフロー値を計測する。
そして吸入ステロイド薬を吸入する。
ピークフロー値は、気管支の狭まり具合を数値で示してくれる。
その数値が高い場合はそのまま吸入ステロイド薬を吸入すればいいが、低い場合はメプチンエアーやサルタノールなどの気管支拡張薬を吸入して気管支を広げ、その上で吸入ステロイド薬を吸入する。
吸入ステロイド薬については、息をすっかり吐き切ってから吸入し、数秒間、息止めして鼻から静かに息を吐く。
そして丹念にうがいをする。
ブクブクだけではだめで、上を向いてガラガラともやる。
1回の吸入で最低4回はうがいをしたい。
うがいをしないと吸入ステロイド薬が口の中に付き、口腔内カンジダ症になる。
カンジダとはカビのことで、吸入ステロイド薬によって免疫の落ちた口の中に白いカビが生えるのだ。
ほうっておくと痛みか出たり口臭の原因になったりする。
この吸入ステロイド療法を少なくとも10日間から2週間続ける。
すると、喘息の原因である気管支粘膜の慢性炎症が鎮まり、息苦しさが消え、発作になることもなくなる。
吸入ステロイド薬は気管支粘膜の慢性炎症を鎮めるための薬なのだ。
症状がなくなったからといって吸入ステロイド療法をやめてはいけない。
喘息は慢性病であり、かかったら一生治らないからだ(大人になると小児喘息が治るというのは嘘である)。
だから、慢性炎症を鎮める吸入ステロイド薬の吸入は毎日、そしてずっと続けなくてはならない。
私のかつてのピークフロー値は100以下だった。
それが吸入ステロイド療法を始めて数ヵ月で700を超し、その後は加齢のため下がったものの今でも500以上は吹けている。
もちろん症状はない。
こういう状態になることを「喘息をコントロールできている」という。
そうなれば喘息ではない普通の人と同じような生活を送ることができる。
良くなった、症状がなくなったといって吸入ステロイド薬の吸入をやめると、1週間もしないうちに症状がぶり返す。
これは私がかつて自分自身で人体実験してわかったことだ。
ちなみに、最近の製薬会社は単なる吸入ステロイド薬ではなく、長時間持続型の気管支拡張薬との合剤を発売している。
そのため医療機関を受診して喘息となれば、たいていはその合剤を処方される。
長時間持続型の気管支拡張薬は吸入して十数分も経つと効いてくる。
吸入するとすぐ効くメプチンエアーなどのエアロゾルに比べて効くのは遅いが、半日間ほど効いてくれる。
すぐには効かないものの息苦しさがやがて取れるので、この合剤をただその目的のためだけに吸入する患者、吸入させる医者が多い。
それは間違いである。
気管支拡張薬が含まれているのは、吸入ステロイド薬で気管支粘膜の慢性炎症を鎮めるだけでなく、気管支を広げ、生活の質(QOL)を高めるためだ。
だから気管支拡張薬の効果に満足するだけでなく、吸入ステロイド薬の効果を信じて毎日吸入しなくてはならない。
参考までに、私は吸入ステロイド薬と長時間持続型の気管支拡張薬の合剤のレルベア200を毎日1回吸入している。
それでピークフロー値は530から580くらいである。
長時間持続型の気管支拡張薬が効いているから、そのぶんを差し引くと、本当のピークフロー値はだいたい500から550くらいの値だと思われる。
私の年齢(64歳)と体格(167cm)ならこの程度のピークフロー値は満足すべきものだ。
できれば、喘息日誌を付けるとよい。
私の喘息日誌を紹介しよう。
なお、吸入ステロイド薬を処方してくれるとはいえ、レルベアなら50とか100のものしか処方してくれない医者が多い。
フルティフォームでも50のものを処方する医者が多い。
それは子供用である。
レルベアならできれば200、最低でも100はゲットしたい。
フルティフォームなら125がいい。
200とか125とか50というのは吸入ステロイド薬の主成分の含有量であり、200や125は多いが50は少ないということだ。
大人であれば吸入ステロイド薬の含有量の多いものを使わないと効果は期待できない。
【ダイエット記録】0.2キロ増えた。あと6.3キロだ。