回復の鍵はエンパワメント!親も子も。 | しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

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2021年6月、当時高1息子が感染症後CFS発症→現在リカバリー中。
第28回精神保健福祉士国家試験受験のため通信制で学習中。

精神保健福祉士養成校でのスクーリングは感動的でした。


受講生たちは全員社会人で、さらなるスキル習得のために意欲を持って参加しているので、積極的な受講態度で意識高く、お互いがお互いを鼓舞し、尊重する雰囲気で溢れていました。
 

ソーシャルワークとは、人権擁護と社会正義の実現にある、という事が伝わり、なんだか壮大な事業に関わってる気持ちになりました!(精神保健福祉士=医療ソーシャルワーカーとも呼ばれます)

 

※ソーシャルワークとは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと開放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理はソーシャルワークの中核をなす。(ソーシャルワーク専門職のグローバル定義より)

 

講師が見せてくれたこちらの動画、よかったです〜!

 

 

ラジオを聞くだけの精神病の男性の必殺技を見つけるとは何という着眼点。

 

授業では

 

「このケースではストレングスモデルを用いてエンパワメントのアプローチをとっている。行動変容アプローチをとっているとも言える」

 

などと受講生同士で話し合い発表するなどの場が設けられました

 

病気の子と関わる母親として、大事な視点を教わりました。

 

また、最近改めて読み返したジル・ボルト・テイラー著の「奇跡の脳」、これは15年前くらいに大ブームになった時に読んで感動した記憶がありましたが、我が子が脳機能障害の一種と捉えられる疾病になったと自覚した上で読むと、また違った面で深く感動しました。

 

ジルは、左脳の脳出血により思考機能がダウンし、右脳優位の脳機能状態になりました。

その時の体験が神秘的なので、以前はそこに大きく着目していたのですが、今回読み返した時は、甚大な脳機能障害を8年かけて回復していった事実に驚嘆の念を抱きました。

 

手術後から回復するまでの間、最初は極度の易疲労性があり、少しの労作でグッタリしてしまう描写は、息子のクラッシュ時の様子を思い起こされました。

そこからジワジワ8年間かけて職場復帰してTED登壇できるまでになったとは・・・

 

行間からは、失われた脳機能を別の脳機能が穴埋めしていっている様子が伝わり、ジルが「現在の私をそのまま愛して。以前のようなわたしだと思わないで。今では前と異なる脳を持っているのです」と書いている部分があり、ハッとしました。

息子もそうだ、以前と異なる脳機能ルートでリカバリーしていってるんだ、と思えました。

 

書籍の中で繰り返し「いかに周囲の人の優しさと支えが必要だったか」「ジルの母親の諦めない姿勢でどれだけ勇気づけられたか」「良くなるという強い希望を保ち続けるために周囲の人々の楽観的対応にどれだけ励まされたか」が書かれていて、私は今回読み返してこの部分が身に沁みました。

 

精神科医 中井久夫氏も、精神疾患の患者に医師や周囲の援助者ができる最高の処方は「希望」だと明言されてます。

 

まさに!

 

CFSと共に生きる時、困難な壁は「情報の少なさ=リカバリーした人の声の少なさ」にあると感じます。

障害受容という観点も必要だし、同時に、さらなる改善を待ち望む「希望」を待ち続けることがどれだけ大事かを知りました。

 

受容の裏側で諦めて無力になれば、回復への道は自ずと塞がれ、その道がある事にも気づけないかもしれません。

 

また、病識がなく、クラッシュを繰り返せば悪化の一途なので「8割の力で生活しよう」「根幹はペーシング」などといった疾病教育を必要とする病気なのにそれができる医師は一握り以下のため、自分で調べたり仲間と繋がり情報共有する事が欠かせないと思います。

 

今の子どものありのままの受容と同時に、強い希望を待ち、常に新たなより良き治療への挑戦をし続ける姿勢を保ち、子どもの必殺技を見出し押し上げることが出来たら理想です。

そんな理想の道を歩んだのが、ジル親子だと思いました。

 

改めて、CFSは何とハードルの高い病態だろうかと思います。

私は、CFSを持ちながら完全に社会復帰した人たちを知っていて繋がっており、またジルのような回復例もあるので、今は本当に心から「息子はもっと良くなる」「この状態の他の子たちもみんな回復、改善の道に繋がっている」と確信しています。

 

注意点としては、改善を強く欲すると、今の息子を否定し悲観する気持ちにも繋がり得る点。

 

そうじゃなく、改善を希望しながらも、今の息子を等身大でOKとし、そのままでもよしとし、一方で淡々とした熱意を維持し、良き道を探りながら進む、というのが今の私の理想像です。

ジルの8年間が私に力を与えてくれました。

 

よく、不登校とか起立性調節障害の子のお母さんは、1人で勝手に幸せになる方がいい、と見聞きしてまして、最初の頃はどうしても飲み込めなかった事でした。

 

「辛そうに横たわる子を前に、どうやって幸せになれと!?」と。

 

けれど今、分かります。

 

究極的には、幸せを感じるのに条件は要らない、ということなんだな、、、。

ムズい!

けど何かわかるの、今!

 

私たちの本質はジルが言うように広大な宇宙と同じであることをどこかで知っている。

苦しみを生み出す左脳の思考活動を低下させることで、本質に繋がる事を「選択」すれば、無限の力の一滴となり、私は笑うことができる。

 

息子は言いました。

 

「僕が一番辛い時、ママが辛そうにしているのが辛かった。

ママが笑って楽しそうにしているのを見るのが一番、力をもらえた。

僕が苦しい時は、いつも通り明るくしていてくれると嬉しい。」

 

私は、重度ODの先輩ママや、心理カウンセラーや、病友ママの前でワンワン泣きました。

そのおかげで、笑える日々を送れるようになりました。

 

ジル・ボルト・テイラーの本はこちら。

数年前に出版された「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方」も今回読みましたが、良かったです!

 

 

 
 
 

 

 

 

 

有名すぎるTEDの動画も、ご覧になってない方は、ぜひ一生に一度は見てみてください!

久しぶりの方も、また見てその力を分けてもらってね。